TBSボクシング中継、「井岡一翔」ロス脱せず “新看板”も立たず

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 村田諒太、井上尚弥という有名ボクサーを擁するフジテレビの高笑いが響くなか、TBSがロープ際に追い詰められている。

 亀田家が良くも悪くも一時代を築いた同局のボクシング中継は、2011年に井岡一翔(29)がWBC世界ミニマム級王者となり、両輪体制に。14年に亀田ジムがライセンスを失うと、11年から6年連続で大晦日中継のメインを担う井岡が屋台骨を背負い続けてきた。

 だが、

「昨年の大晦日、井岡はリングに立つことなく、電撃引退してしまいました」

 と、さるボクシングライターが語る。

「慌てたTBSはテレビ東京から選手を引き抜いて、大晦日ボクシングのメインイベントとしました。それが、田口良一(31)です」

 田口は、14年大晦日にWBA世界ライトフライ級王座を戴冠。その後6度にわたる防衛は全てテレビ東京が中継していた。

 しかし、昨年大晦日に行われた7度目の防衛戦は、引き抜きに成功したTBSが中継を手掛けた。相手はフィリピンのIBF同級王者。田口はこれに勝利し、2団体の統一王者となった。

 晴れて看板ボクサーとなった田口に、TBSは更なる箔付けを試みる。それが5月20日に行われた一戦。“日本人初”という触れ込みの“統一防衛戦”だった。

 だが、この試合で田口は判定負けを喫してしまった。

「一度ダウンを奪ったのですが、スリップと判定されてしまいました。採点で訂正されたものの僅差で及ばず。田口にとっては不運というほかない結末でした」

 それにしても、せっかく仕立てた看板が吹っ飛んだTBSは今後どうするのか。

「田口の前座のIBF世界ミニマム級防衛戦に勝利した京口紘人(24)は知名度が低く、今回は生中継すらなかったほど。15年に日本最速となるプロ5戦目で世界王者になった“中京の怪物”こと田中恒成(22)も全国区じゃありませんし……」

 一発逆転パンチはあるか。

週刊新潮 2018年5月31日号掲載

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