メジャーの大先輩・村上雅則氏が語る「大谷翔平」 二刀流には賛成でも投手に専念してほしい

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ケガのリスク

「私も彼の二刀流には賛成です」と村上氏は言う。しかし、同じ投手の目線で大谷を見ていると、打席に立つ(塁に出る)ことによるケガのリスクを、どうしても考えてしまう。

「彼は左打者。投げる右腕が投手側にあります。もし関節にデッドボールが当たれば、投手生命に影響を与えるかもしれない。ランナーに出れば、投手の牽制球に手から帰塁することもある。うっかり突き指したり、指先を一塁手に踏まれたりしたら一大事ですよ。彼は100マイル(160キロ)以上のボールを投げられるピッチャーです。日本人がアメリカに行くと、球速は上がります。日本とは標高も違うし、マウンドの高さ、傾斜などが異なりますから。165キロの自己最速もいずれ更新するでしょう。私としては投手に専念して、中4日で先発登板してもらいたい……」

 二刀流のパイオニアとして、メジャーに足跡を刻んでもらいたいと願う一方で、投手に専念して大成して欲しい――。

 それが日本人メジャーリーガーの先駆者である村上氏の偽らざる本音だ。

柳川悠二(やながわ・ゆうじ) 1976年、宮崎県生まれ。出版社勤務を経て、フリーのノンフィクションライターとな る。高校野球や柔道など、主にスポーツノンフィクションの分野で活躍し、2017年、 『永遠のPL学園』で小学館ノンフィクション大賞を受賞。

2018年6月1日掲載

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