メジャーの大先輩・村上雅則氏が語る「大谷翔平」 二刀流には賛成でも投手に専念してほしい

スポーツ 野球

  • ブックマーク

Advertisement

あえて注文をつけるなら…

 2度目の登板で大谷があわや完全試合の好投を見せた日(現地時間4月8日)、NHKのBS中継で解説を務めていたのが村上氏だった。

「さすがに興奮を抑えることに必死でした。8回にヒットを打たれて交代しましたが、あのまま無安打が続いていたら(監督のマイク・)ソーシアは代えたのかな。あの日はスプリットが良くて多投していた。スプリットはどうしてもヒジの負担が大きいので、ソーシアはどぎまぎしたことでしょう」

 ソーシアはベンチから球種やコースを細かく捕手に指示する監督として知られる。

「ソーシアのサインにも、納得がいかなければ大谷は首を振っている。異国で日本人が苦手とする自己主張もマウンドでできている。三振も多く奪えていますが、あえて注文を付けるなら、やや組み立てが単調な気がします。もう少しスライダーやカーブの割合を増やして、4種類ぐらいの球種で勝負した方がより安定して打者を抑えられるのではないでしょうか。それから、3試合目の登板で、マメを作って、途中降板しましたよね。これは投げ込みができていない証拠かもしれない。ただでさえ、メジャーはブルペンの投球数から制限されるのに、彼は野手としての練習にも時間を割かなければならない。日本ではキャンプ、シーズンを通して、投げ込むことによってタコができ、指先の皮膚が分厚くなっていく。メジャーだとせいぜい1日20球とか、30球しか投げないから、皮膚が柔らかい状態で、結果、マメができてしまったのかもしれない。ブルペン以外の場所で、ボール数を投げる工夫も必要かも知れませんね」

次ページ:ケガのリスク

前へ 1 2 3 次へ

[2/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。