不良外国人で教室がカジノ化! 日本語学校の抱える闇とは

国際2018年5月24日掲載

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 近年、日本の民放テレビ局にとって、キラーコンテンツと化しているのが、中国の「衝撃映像」「トンデモ映像」だろう。世界第2位の経済大国になったとはいえ、かなり独特の行動を取る人も多いため、この手の映像はたしかに面白い。
 そして多くの場合、スタジオのコメンテイターは「びっくりしましたね」「ひどいですね」と言う。そこには暗に「日本はこうじゃなくて良かった」というメッセージが込められているようだ。
 しかし、残念なことに、中国が日本に対して「びっくりした」「ひどい」と報じるテーマもないわけではない。歴史問題とは関係なく、現代日本に関するものでも、である。
 その1つが、日本語学校の不祥事だ。日本で働く外国人の素顔をルポした『コンビニ外国人』(芹澤健介/著)をもとに、知られざる日本語学校の闇を見てみよう(以下、引用は同書より)。

日本語学校にご用心

 昨年、一部の中国メディアにこんな記事が載った。
「日本では悪徳な日本語学校や専門学校が乱立しているので騙されないように注意しましょう」
 留学生に向けてこのように呼びかけた内容だった。この記事には、日本の専門学校で撮影されていたという動画が取り上げられていた。
「その動画には教室の後ろで留学生10数人が集まり、ポーカー賭博に興じている様が映っていたそうだ。
 教室の前方では授業が続いているが、机の上には1000円札や小銭が無造作に置かれていて、前を向いて授業を聞いているのは女子生徒1人だけだった。
 ポーカーで1日に2万円稼ぐ生徒もいたという」

 テレビの情報番組風にいえば「衝撃!カジノ化したトンデモ専門学校!」というところだろう。残念なのは、これが日本の学校であるということ。
 さらに衝撃なのは、この専門学校の生徒の大半が、特定の日本語学校から「強制的に入学」させられていた、という学校関係者が証言していることだ。一体どういうことか。
『コンビニ外国人』の著者であるライターの芹澤氏に解説してもらおう。
「じつは日本語学校と専門学校が結託して留学生を囲い込んでいたのです。
 本来、中国人ら留学生が専門学校に入るのには、語学学校からの卒業予定証明書などが必要なんですが、その書類を日本語学校が偽造するなどして、実際には資格のない留学生も入学させていたというのです。
 おそらく動画に登場していたような不良留学生は、退学になって留学ビザが剥奪されてしまえば、その先は強制帰国か失踪するしかありません。
 それ以外に、日本に居続けたいのなら、金を払って専門学校に留学しろ、と日本語学校側が持ちかけたようです」

不法就労の斡旋

 要は不良留学生の弱みを握って、さらに金を払わせる“連携プレー”が専門学校と日本語学校の間で行なわれている、ということだ。証言以外の傍証もある。
 動画に映っていた専門学校は、開講当初の定員は360人だったが、2年目には860人にまで膨れ上がっていたという。しかもその8割が同じ日本語学校の“卒業生”だった。
 教室内でポーカー賭博に興じているような“専門学校生”が授業料をいかなる形で調達しているのか。その点を考えるとかなり恐ろしい話である。
 この例は極端にしても、日本語学校にまつわるトラブルは近年少なくない。
「ベトナム人留学生に日本語学校がアルバイト先を紹介し、法定の上限を上回る労働をさせていた件では、留学生らが不法就労で逮捕された。学校側が彼らの通帳管理までしていました。これは日本語学校の看板を持った不法就労斡旋業だったと見られても仕方がありません。この学校は問題が発覚して2カ月で廃校になりました。
 良心的な学校もあるのですが、一方でこのようなグレーゾーンあるいはブラックの領域のビジネスに手を染めている学校があるのも事実です」(芹澤氏)

 その背景には日本人の人手不足もあるのだろう。深刻な人手不足に悩む地方の経営者の中には、違法だと承知しながらもこうした「人材」を確保する者もいるという。
「国立は無理としても、公立の日本語学校を設立して、地域ぐるみで留学生を支援するような仕組み作りが必要だと感じています。
 残念なことに、日本には現在、公立の日本語学校は北海道の東川町が町ぐるみで運営している東川日本語学校しかありません。人口8000人の町が常時200人くらいの留学生を受け入れています。町全体で外国人留学生を受け入れて、共生しようという東川町の取り組みは、地域の活性化にもつながっているように見えます」
 中国などの外国から留学生や労働者の人権問題を指摘されるようではシャレにならない。日本の評判を落とさないためにも、ブラックな日本語学校を放置することは許されないのではないか。

デイリー新潮編集部