安藤サクラ、カンヌに通用するか 「万引き家族」で官能熱演

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 この8日に開幕した第71回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に、今年は日本から2作品、是枝裕和監督の「万引き家族」(公開は6月8日)、濱口竜介監督の「寝ても覚めても」(公開は9月1日)が出品された。あの仏の巨匠ゴダールも同部門に選出されており、競い合うこととなる。

 2013年には「そして父になる」で同映画祭審査員賞を受賞している是枝監督。今回は、犯罪で生計を立てながら東京の下町でひっそりと暮らす一家の姿を描き、家族の絆とは何かを問う意欲作だ。出演は父役にリリー・フランキー、母役に安藤サクラ、祖母役に樹木希林ら、個性的な面々が揃う。

「中でも印象に残ったのが、安藤サクラさんです。昨年6月に長女を出産してすぐに撮影に臨んだのですが、惜しげもなく32歳の豊満な身体を晒し熱演しています」

 そう語るのは、試写を見た50代男性記者。

「決して若々しい張りのある身体ではありません。でも、逆にそれが官能的なんです。汚いボロ家でじっとり汗を滲ませながらリリー・フランキーさんと交わる場面は、リアルに肉感が伝わってくるようでした」

 安藤といえば、13年には「かぞくのくに」でキネマ旬報主演女優賞、16年には「百円の恋」で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞など数々の賞を獲得し、演技派として知られる存在。

 映画評論家の北川れい子さんは、次のように評す。

「ただ今回はそれらの作品の上をいく演技だったと思います。年相応の色気と存在感をうまく出し、犯罪家族の真ん中にデンと座る母親を見事に演じていました。終盤、一人アップとなり、だんだんと感情を激昂させていく3分ほどのシーンがあるんですが、あまりの迫力に思わず鳥肌が立ちました」

 日本の女優が世界三大映画祭で女優賞を獲ったのは、近年ではベルリン映画祭で、10年に寺島しのぶ、14年には黒木華と、2人だけ。カンヌでひょっとして……。

週刊新潮 2018年5月17日号掲載

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