ゴーン会長が絶賛、元レースクイーン「日産」新役員 本人語る

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“フレンドリーな感じ”

 経営コンサルタントの日沖健氏によると、

「従来の社外取締役は、親会社や取引先の役員でしたが、3年前に金融庁と東証が独立性の高い社外取締役の選任を義務付けました。利害関係のない第三者を入れて、経営をチェックするためです。彼女はレーサーなので自動車業界に明るいうえ、男性ばかりの役員会に女性の視点を与えてくれる可能性がある。世間の注目も集まるため、日産は適任だと考えたのでは」

 ちなみに社外取締役の報酬の相場は、一部上場企業となると、月100万円以上。年間2000万円も珍しくないという。

「現在、ケミカル関係の会社でも社外取締役をやっています。ですので、さらに勉強が必要だと思いますが、大変光栄に思いました」

 とは、井原さんご本人。

「昨年秋、日産から突然電話が掛かってきまして、今年1月に会社へ伺ったんです。役員室のような部屋でゴーン会長や西川社長と面接したのですが、会長は部屋に入ってくるなり、“慶子の経歴は知っているよ”と握手をしながら仰って。堅苦しくないフレンドリーな感じが印象的でした」

 その場で、ゴーン会長は“同じタイプの集団ではなく、異なる能力や立場の人々をミックスすると強い組織になる”と説明。西川社長からも、“様々な経験を生かして会社に貢献してほしい”と依頼され、社外取締役を引き受ける気持ちが固まったという。

「取締役会では、組織のダイバーシティ(多様な人材活用)や安全意識のほか、取締役会の実効性など独立した立場からの意見具申とコーポレートガバナンス強化に努めていくことになると思います。レースも同じメンバーではなく、いろいろな人が混ざっているチームは、アイデアが出てきて強くなれるのです。そういう意味では、どんな仕事も同じだと思います」(同)

 役員になると、横浜の日産本社で開催される役員会に、月に1度出席することになるというが、

「取締役はフーガなどの高級車で新横浜駅まで迎えに来てもらえるそうです。でも、私は自宅のある名古屋から本社まで自分で運転して行きます。メーカーの異なる電気自動車を3台持っていますが、その時は日産のリーフですよ」(同)

 ハンドル捌きはお手のもの。会社の舵取りはどうなるか、お手並み拝見!

週刊新潮 2018年5月17日号掲載

ワイド特集「野に薫風 世に暴風」より

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