美辞麗句報道の裏で「イチロー」が日本を捨てた本当の理由

野球週刊新潮 2018年5月17日号掲載

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 神童、軍神、神対応。たとえ「神」と呼ばれても、現実世界のそれは所詮人間である。「野球界の神」と崇められるイチロー(44)も、スーパースターであると同時に我ら衆生と変わらない中年男の一面を持つ。新聞が〈マリナーズに思い入れ〉(5月4日付朝日新聞)、〈生涯イチ流〉(同月5日付読売新聞)と美談めいた報道をした電撃的な「生涯契約」の背景にも、実に人間くさい裏話が潜んでいた。

 現地時間の5月3日、メジャーリーグのマリナーズはイチローと生涯契約を結んだと発表した。彼は文字通り生涯にわたって、同球団の会長付特別補佐として活動することになったのである。事実上の引退と目されていて、イチロー自身は、

「チーム(マリナーズ)がこの形を望んでいるのであれば、喜んで受けようと」

 こう説明したが、兎(と)にも角(かく)にもマリナーズと生涯契約をかわしたということは、すなわち日本球界復帰がなくなったことを意味する。

 しかし、これまでイチローは、「50歳まで現役」を公言してきた。選手生活に拘(こだわ)るのであれば、日本のプロ野球に復帰したほうが実現の可能性ははるかに高かったはずである。事実、古巣のオリックスは、彼が戻ってくることを望んでいた。一体なぜ、イチローは日本の球界を拒んだのだろうか。

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