ハーバード、スタンフォードに合格者続出 海外進学塾「ルートH」の秘密プログラム

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「浮きこぼれ」

 最初の1年こそ、全体のカリキュラムを決め、それに従って進めて来たが、それ以降は生徒それぞれに合わせた指導に変更したという。各人の強化ポイントがまるで違うからだ。

「例えば、来週は何曜日と何曜日、5時から10時まで空けているので、その中で来たい時にいらっしゃいというような感じです。入試直前になると、みなが来て、“どんなエッセイ書いてるの?”など、友達同士でも学びあいがある。先輩らともフェイスブックでつながっているので、わからないところがあったら相談して……そんな状態です」

 選考過程に話を戻すと、最後に待ち受けるのが面接である。

「アメリカの大学を受ける場合は、通常1月から2月の間に日本で面接が行なわれます。日本にいる各大学の卒業生が組織化されているんですね。面接官は日本人、外国人両方の可能性があります。彼らから“ウチの会社の役員室に来て”とか、“スタバに来て”みたいな風に言われるんですね。何をどのように審査し判断するかは大学によって全然違う。“この子はやっていけない”というのを見極めるための面接もあれば、“絶対いい”という判断をする機会だったりもする」

 ちなみにイギリスだと、日本で筆記試験を受けて、それをクリアしたら現地に赴き、教授とディスカッションするというケースが少なくないという。英・米ではまったく傾向が異なっているので、ハーバードに受かっても“オックスブリッジ”に落ちる子もいれば、当然その逆もいるという。

 最後に、ルートHの一番の価値を尋ねたところ、「浮きこぼれ」なる言葉を口にして、説明する。

「各校に海外の大学を目指す生徒が何名かいますよね。その数自体は以前に比べて多くなってきているんだけど、大多数はそうじゃない。ルートHに来るような子は優秀過ぎて話が合わず、浮いちゃう。落ちこぼれではなくて、浮きこぼれ。彼らはコミュニケーション能力がものすごく高いので話を合わせるんですが……。ある意味で窮屈さを抱えて生活を送っているところ、ルートHに来ると、自分と同じように浮きこぼれていた子が当たり前にいるので、このままでいいんだと思える。競い合える、先輩たちともつながっている……そういった点で安心できるところは大きいと思います」

 いわば秘密結社の門を叩く生徒たちは押しなべて礼儀正しく、藤井本部長の言葉を借りれば、「ムカつくくらい良い奴で、他人に対する先入観がないというか、だから素直」なのだとか。

(下)へつづく

週刊新潮 2018年5月3・10日号掲載

特集「『ハーバード』『スタンフォード』に合格者続出! 海外進学塾『ルートH』の秘密プログラム」より

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