瞳と声色で語る「俳優・二宮和也」の表情筋に注目! 「ブラックペアン」第2話

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胸の内の読めない登場人物たち

 さて、小山は、高階が使用を推進するスナイプを使った僧帽弁置換手術をおこなうことになる。執刀医は関川文則(今野浩喜)、第一助手は柿谷雄次(内村遥)、第二助手には何と世良が指名された。オペ室付きの看護師(通称・オペ看)は猫田麻里(趣里)、そして花房である。手術の前は、患者がいちばん不安で怖い。そのことに気づいた世良は意を決して小山の再手術に挑む。世良の大きな成長の瞬間だった。

「神の手」と称される佐伯に、「神の手は必要ない」と帝華大学の西崎啓介教授(市川猿之助)は言う。いやあ、猿之助の肉付きの良いがっしりとした顔から放たれる嫌みときたら、たまらない。憎たらしさのあまり、猿之助が嫌いになりそうである。もちろん冗談だが、彼の存在感は素晴らしいの一言しかない。

 しかし、「神の手」とは何だろうか? 患者や患者の家族にとっては「命を救ってくれた医師の手」こそが「神の手」なのではないだろうか? 論文を書くことで、立場を争いながらのし上がっていく医師たちは、本当に「神の手」の持ち主なのだろうか? しかし佐伯はあえて権力争いというゲームを楽しんでいるようなところがある。まだまだ佐伯の胸の内は読めない。

 そして何を考えているのか読めないと言えば、治験コーディネーターとして物語の鍵を握っている木下香織(加藤綾子)である。淡々とスナイプの説明をする場面では、加藤の確かなアナウンス技術が発揮されていた。一癖も二癖もありそうなところといい、「一流が好き」と言い放つ上昇志向の強いところといい、筆者の中のカトパンのイメージそのままだ……。ドラマ初出演にして、当たり役なのではないか。

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