インバウンドで大人気!公道カート「マリカー」は、はっきり言って「危険」で「邪魔」

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対策要請を無視

 国土交通省技術政策課に聞いてみた。

「不幸中の幸いといいますか、これまで死亡事故は出ていません。しかし、公道カートはシートベルト、ヘルメットの着用義務はありません。自損事故ならともかく、車と衝突などしたらひとたまりもありません。小さくて車体が低いので見づらいというご意見もいただいていますから、他車からの視認性を上げることが急務です。国土交通省では昨年より有識者検討会などを開催し、シートベルトの装備や、高さ約1メートルほどのやぐら状の台を設け、そこに尾灯を付けることを義務化するなど、制度改正することを決めています」

 省令の改正で済むから、それほど時間はかからないという。では、施行はいつ頃になるのだろうか。

「対策部品の製造にも時間がかかるでしょうから、3年ほどはかかるかもしれません。そのため、公道カートを運営するマリカー社などには、シートベルト等の対策を申し入れているのですが……」(同)

 だが、今のところ業者は対策を実行に移していないという。

「マスコミには『制度改正までの状況を見守りたい』とか言っているようですが、正直、ナメてんのか!と思いますよ。大事故が起きてからでは遅いのですから」(同)

 国交省管轄の「道路運送車両法」では排気量から原動機付き自転車扱いとなるためにシートベルトは不要。警察庁の「道路交通法」では4輪であることから自動車扱いとなって、ヘルメット、原付の二段階右折も不要となっている。2つの法の網をかいくぐるように成り立っているのが公道カートだった。

「元々は趣味の車でしたからね。でもここまで普及して、事故も多くなってきては放って置くわけにはいきません」(国土交通省)

 業者もキチンと対応しないと、このままでは肩身が狭くなるばかりである。

週刊新潮WEB取材班

2018年4月22日掲載

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