〈アイム、ソーリー。オオタニ!〉 大谷翔平に“降参”する米記者たち

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13歳でダンクシュート

 在米ジャーナリストの志村朋哉氏によれば、

「大谷は既に観客を虜にしています。本拠地では、大谷が打席に立つと、プレーオフのように雰囲気が高まる。球場が、大谷が何をするか、楽しみでたまらないという空気になるのです」

 それゆえか、こと大谷に関しては、時に選手に辛辣なアメリカメディアも、おおむね“絶賛”である。

 例えば、「ロサンゼルス・タイムズ」はこんな具合だ(4月3日付)。

〈常識では、投手と打者双方を行うのは不可能であると思われてきた。しかし、あらゆる人物に世間一般の通念が当てはまるわけではない。大谷はそうした人並み外れた選手なのである〉

〈彼はチームの誰よりも速いボールを投げ、打撃練習でも、速い打球を打つ。(メジャーリーグという)地球上最強の野球選手の集まりの中でさえ、彼は身体的な怪物なのである〉

 そして、

〈彼はリトルリーグの中に入った髭を生やしたピッチャーであり、既にダンクシュートが出来る13歳の少年のようなものなのだ〉

 と、如何にもアメリカらしい比喩で締めくくっているのだ。

「そのLAタイムズだって、キャンプ中はダメ出しをしていましたよ」

 とは、さる在米のベースボールウォッチャーである。

「“クオリティーが欠如している”とか、“明らかに投手と対等の勝負ができていない”とかね。でも、開幕後は“大谷はマンガの主人公を超えつつある”と。この筆者は日本のマンガに詳しいようで、日本のスポーツマンガには、『消える魔球』を操る投手や、シュートでネットを燃やすストライカーなど、超能力も出てくる。でも、二刀流はなかなか。『MAJOR』というマンガの主人公だって、ピッチャーで肩を壊してバッターに転向した、との設定だ。しかし、大谷は『同時に二刀流』を実現しつつある――と」

 さらに、同紙の別の記者はツイッターで、〈大谷はあと2年待たなかったことで(契約金に上限が設けられて)2億ドルを犠牲にした〉〈大金を捨ててきたスター〉と、日本円で、210億円もの額を置き去りにした精神を褒め称えているのだ。

(下)につづく

週刊新潮 2018年4月19日号掲載

特集「『210億円を捨てた傑物』だけど『つまらない男』 『碧い眼の記者』が語るモンスター『大谷翔平』」より

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