セクハラ「福田財務次官」の迷走 財務省は安倍総理に、なぜ楯突くのか

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「Me Too」を強制するというセクハラ

 無理な理屈で虚報だと強弁し、うわべだけの反省を示すことが、どれほど被害者をバカにしたことなのか、常識のある人間なら誰でも分かる。おまけに財務省は、記者クラブに加盟する女性記者に「調査協力」を依頼した。広報文の該当部分を引用しておく。

《【各社内の女性記者への周知を要請した内容】

― 福田事務次官との間で週刊誌報道に示されたようなやりとりをした女性記者の方がいらっしゃれば、調査への協力をお願いしたいこと。

― 協力いただける方の不利益が生じないよう、責任を持って対応させていただくこと。

― 外部の弁護士に対応を委託しているので、調査に協力いただける場合は、別途お示しする連絡先に直接連絡いただきたいこと》

 これは被害者や記者クラブ加盟社に対する“恫喝”だろう。実際、野党の反発だけでなく、一部の新聞社などは異議表明の記事を配信しつつある。今後も議論を呼ぶ可能性が高い。

 有権者も財務省に対し、さらなる怒りを覚えるのではないだろうか。財務省の姑息な狙い通り、女性記者が「Me Too(私も)」と声を上げることはないかもしれない。今、世界中で女性が自分の性的被害を「Me Too」と表明する運動が高まりを見せている。だが、調査協力を強要することも立派なセクハラだ。

 なら設問を変えてみよう。「財務省が組織防衛に汲々としている、みっともない組織だと思う」という感想に対してはどうだろうか。こちらなら「Me Too」と賛成の意を示す有権者は、男女を問わず、相当な数になるに違いない。

週刊新潮WEB取材班

週刊新潮 2018年4月17日掲載

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