DeNA筒香の帽子のつばは何故「真っ平」なのか ヒップホップとの意外な関係

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甲子園でも“真っ平派”が増える!?

 真っ平らなつばが、ヒップホップ文化と関係が深いのも事実のようだ。New Eraの担当者が言う。

「アメリカの特にヒップホップ系のミュージシャンなどの間で、弊社の野球帽をかぶることが流行しているのは事実です。ニューヨークやサンフランシスコ出身のミュージシャンにとって、自分が生まれ育った街のMLBチームを示すことは最も簡単で分かりやすい自己紹介になります。郷土愛を示すことにもつながります」

 ちなみにヒップホップに詳しい編集者によると、ブームが花開いたのは2000年代だという。

「80年代からキャップをかぶる文化は存在していました。ただNew Eraが脚光を浴びた時期となると、2000年代と定義していいのではないでしょうか。ちなみにファッション性だけに限って言えば、日本でもアメリカでも、New Eraのフィフティーナインフィフティーは少し下火になっていますね」

 ヒップホップが後押ししているわけではないのだろうが、高校野球でも“真っ平派”が増えているようだ。朝日新聞は17年8月10日(電子版)の記事で、大阪桐蔭の3年生選手が「真っ直ぐなつばの帽子をかぶっている」ことに注目した。

 大阪桐蔭では、つばが真っ直ぐな帽子が基本形。だが、この3年生選手は、真っ直ぐのまま着用した。理由の1つに《「つばがまっすぐの方が視野が広がって、守備力アップにつながる気がする」》ことを挙げている。そして2年生では「まっすぐ派」が増えているとしている。

 よく「野球」と「ベースボール」は違うという指摘を目にするが、野球帽のつばも日米で正反対の仕様になっているわけだ。しかしながら、日本でもじわじわと“MLBスタイル”も広がっているように見える。10年後、日本プロ野球や高校野球の野球帽は、どのようなデザインになっているのだろうか。

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週刊新潮WEB取材班

2018年4月7日掲載

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