自民「マタハラ発言」議員 過去には“うさん臭い起業家”への投資を勧誘

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〈ダメなら刑務所です〉

 現に、投資家たちから返金を迫られた横井氏は、彼らに対してメール等で、

〈皆様にご返済すべき負債の合計は5億円弱となっております〉

〈経営に失敗しただけでなく、手を付けてはいけない資金に手を付けてしまったこと、また皆様にそのことを言い出せず嘘をついてしまったこと、全て私の慢心と見込みの甘さが原因〉

〈死ぬ気でやってそれでもダメなら刑務所です〉

 と、自身の「罪」を認めているのだ。改めて横井氏に話を聞くと、「投資金の流用」を認めた上で、

「事業を拡大し、従業員の給料が嵩(かさ)んだりして、トライアジアの経営は苦しくなっていきました。テレビ局は資金繰りが悪化して電気代が払えず、2、3週間前に放送停止。マイクロファイナンスも始めていませんし、ビル建設事業も立ち消え。実は、カンボジアの国道5号線の拡張事業を受注できる話があって、上手くいけば億単位の利益が出て帳尻が合うはずだったんです。嘘じゃありません。分かってください。でも、それもポシャってしまった。事業をどうにか再興し、投資家の方々にお金をお返しできればと考えていますが、現在、トライアジアには社員がおらず、実体はありません」

 日大名誉教授(刑法学)の板倉宏氏の解説。

「本来とは違う目的への資金流用は、投資家に嘘をついて騙(だま)したことになり、詐欺罪に当たると思います」

 こんな起業家を、白須賀代議士は冒頭で紹介したように手放しで礼賛したのである。当の白須賀氏は、

「横井さんと初めて会ったのは、去年の10月の頭だったかな」

 と、出会って僅(わず)か1カ月で横井氏を「親友」扱いしていた驚愕の事実を打ち明けつつ、

「彼はどうやって事業を拡大していくか、熱く語っていました。先生(白須賀氏)にも社債購入をお願いしたいということだったので、10万ドル分、購入しました。セミナーで、私が社債を買った話をして、横井さんを応援してほしいと言ったのは間違いない。でも、それはカンボジアヘの投資のお願いという趣旨であって、横井さんへの投資を勧めたのとは違います」

 こう強弁。しかし、セミナーでの白須賀氏の発言を今一度振り返ってみてほしい。自身が横井氏に投資している話を披露した後に、「横井社長を信じてお力を貸してください」とお願いすれば、誰がどう考えても横井氏への投資勧誘と受け止める以外になかろう。彼の釈明は、「全く似ていない」と言い張った、どこぞのデザイナーと同じくらい説得力に欠ける。

 事実、問題のセミナーの参加者はこう呆れる。

「白須賀さんは明らかに横井の社債を宣伝していた。私をはじめセミナー参加者は、『議員会館でこんな発言をしていいのか』と言い合っていました」

 安保法案の参議院本会議採決が迫るなか、新たな問題議員が出てくるわ、出てくるわ。自民党には、「何とかホイホイ」が必要そうだ。

週刊新潮WEB取材班

2018年4月5日掲載

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