自民「マタハラ発言」議員 過去には“うさん臭い起業家”への投資を勧誘

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106万ドル、100万ドル…

「横井に騙されました」

 こう憤るのは、横井氏の誘いに応じて出資した投資家の1人である。

「彼とは13年の8月か9月頃、都内で行われたセミナーで知り合いました。その後、横井は『カンボジアのテレビ局から電波権を買い、現地で日本のコンテンツを流すテレビ局を開設する。そのテレビ局の転換社債を購入してほしい』と持ちかけてきたので、私は今年の1月に1口5万ドルで2口分出資。白須賀さんが社債を買った昨年11月の段階では、1口10万ドルになっていましたが、私たちが投資した時は1口5万ドルだったんです。私が把握している範囲では、私の分も含めて転換社債は20口以上購入されています」

 トライアジアは、2012年に横井氏が設立。カフェ、ラーメン屋、サッカークラブ等々、多様な事業を手掛け、昨年6月時点では年商約92億円(見込み)と謳(うた)っていた。そして先に触れたように、彼は時代の寵児へと駆け上がっていった。例えば、雑誌「ゲーテ」(幻冬舎)の今年3月号での、横井氏と滝川クリステル氏との対談を紹介すると、

〈横井 (トライアジアは)完全実力主義の“どベンチャー”なので、カンボジアの企業としては相当浮いていますが(笑)
滝川 壮大なプラン実現のためには、そういう信念が必要なのでしょうね〉

 こんな具合である。

 また日経新聞(14年8月5日付)でも、横井氏のテレビ局は紹介され、日経産業新聞(14年9月30日付)では、

〈カンボジア 和僑駆ける〉

 として、彼のビジネス手法が持て囃(はや)されている。

 そんな横井氏は、昨年7月、テレビ局の開局に何とか漕ぎつけたものの、

「テレビに限らず、トライアジアの事業は上手くいっていないとの噂を聞き、昨年11月18日のセミナーの後、私たち出資者は銀座の割烹料理屋で直接、横井に大丈夫かと尋ねたんです。すると彼は、『心配をかけて申し訳ない。投資していただいたお金は返すようにします』と答えました。ところが、その後、『返す』と言いながら今に至るも一向に返さない状態が続いているんです」(前出の投資家)

「しかも」と、別の投資家が後を受ける。

「14年の3月、私は横井に、新たにカンボジアで始めるマイクロファイナンス(貧困層向けの小口金融)事業用として、106万ドル投資しましたが、待てど暮らせどマイクロファイナンス事業が始まったとの話が伝わってこない。なんでも、私の投資金はテレビ事業に使ってしまったというんです。話が違うので、当然、金を返してほしいと迫りましたが果たされず、とりあえず横井関連の債務5000万円分を仮差押え申請し、今年の7月23日、東京地裁に認められました」

 さらに、

「横井は他にも、カンボジアでビルを建設する事業が進行していると言って、別の日本人投資家からさらに100万ドルの出資を得ています。しかし、このビル建設事業も進んでおらず、その投資金も全てテレビ事業に流用。つまり横井は、次から次に事業計画をぶち上げ、その都度、投資家から金を集めながら、いずれも頓挫。しかも、その事実を当初は隠していた。詐欺的行為を働いていたとしか言いようがありません」(同)

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