カオスの自民総裁選 新竹下派に合流「石破」、「岸田」に鞍替えの「麻生」

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午前と午後で

 しかし、ここで台風の目になりそうなのが、ポスト安倍の最有力で、47人の自派の領袖・岸田文雄政調会長である。

「岸田さんは出馬について明言を避けてきました。派閥内も、安倍総理からの禅譲を待つべしとするベテラン勢と、出馬すべしとする若手とに割れていましたが、主戦論が高まっている」

 自民党関係者がそう言って、続ける。

「さらに党内では、“改ざん問題の対応で安倍総理と麻生さんが袂(たもと)を分かつようなことがあれば、麻生さんは岸田さんにつく”という声まで上がっています。かねて麻生さんは“キングメーカーでいたい”と話しているし、自分が総理時代に辞任を求めた石破さんとは折り合いが悪いですからね」

 そのうえ、

「もしそうなれば、そもそも安倍総理と政治信条を異にする二階さんは、勝ち馬に乗るべく岸田陣営につくでしょうね」(同)

 麻生派と二階派が加われば、岸田陣営は150人となる。一方、安倍陣営は細田派の94人、石破陣営は75人、残る国会議員は86人。1回目の投票で誰も過半数に届かなかったとしても、決選投票で石破陣営が岸田陣営につけば──。

 そんな計算を既にしていたのか、

「石破さんは、改ざん問題が報じられて以来、周囲に“岸田が出てくるだろうな”と話し、警戒感をあらわにしています」(先のデスク)

 再び石破氏の談。

「我が党の総裁選は、1日で、午前と午後で、ガラッと空気が変わる。まだ何も分かりませんよ」

 混沌の中から新たな秩序が生まれるのか。

週刊新潮 2018年3月22日号掲載

特集「3選も改憲も吹き飛んだ『森友改ざん』の爆心」より

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