カオスの自民総裁選 新竹下派に合流「石破」、「岸田」に鞍替えの「麻生」

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「一も二もなく総裁選」と年頭から話していたのは他ならぬ安倍総理。既定路線だった3選だが、ここにきて情勢は混沌としてきたのである。麻生財務相が詰め腹を切らされれば、岸田政調会長へ鞍替えしかねない。俄かに石破元幹事長の「新竹下派」への合流も囁かれ始め……。

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「正直で誠実で丁寧な自民党になろうと野党時代に反省したわけだから、そうありたいと思っているし、総裁選でもそう訴えます」

 こう意気込むのは、石破茂元幹事長だ。

「でも敵失で勢いづこうなんて思ってませんよ。あくまでも政策や党のあり方で戦っていく。政策は、地方に重点を置くということ」

 実は9月の総裁選から、従来300票だった地方票が国会議員票と同じ405票へ増える。候補者は両方の合計で争い、過半数を得た者が勝ち、誰も過半数に届かなければ上位2名が決選投票に進む。

 6年前、地方票で安倍総理に圧勝した石破氏としては、“長所”をさらに伸ばそうという算段だが、石破派(20人)だけでは立候補に必要な推薦人さえ揃わない。そこで急接近しているのが、ちょうど額賀派から竹下派に変わる古巣の平成研究会(55人)である。

「かつて“参院のドン”と呼ばれ、今も平成研に影響力を持つ青木さん(幹雄元参院議員会長)が、石破さんを推そうと画策している」

 と、政治部デスク。

「青木さんが息子の一彦さんに譲った参院・島根選挙区は、一昨年の参院選から“石破王国”の鳥取選挙区と合区になりました。その際、石破さんが一彦さんの当選に尽力したことに恩義を感じている青木さんが、派閥内で石破支持を広めている。石破派と合流するなんて話も出ています」

 仮に石破陣営に新竹下派がつけば、石破派とあわせて75人。対する安倍総理は、今まで通り細田派(94人)、麻生派(59人)、二階派(44人)を固めただけで197人とダブルスコア以上で、戦意を失うレベルだ。

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