「貴乃花」独占インタビューに協会激怒 取材拒否の“テレ朝かわいがり”

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「今の状態は残念」

 3月1日には思わぬ伏兵も現れている。

 貴ノ岩が久方ぶりに口を開くということで、担当記者がぶら下がっていた。しかし、テレ朝はこの現場に辿り着けず、いわば不戦敗を喫している。協会が手をまわしていたというわけではないようだが、となると、どういうことなのか。

「仕切り役の記者が協会に忖度したようです。とにかく、テレ朝側はぶら下がりを知らされていなかったのです。まあ、記者も含めて相撲はムラ社会。テレ朝には貴乃花のインタビューでヌカれているし、その結果、協会に睨まれているわけだから、積極的に助け船を出そうという発想はないでしょう」(前出のテレ朝関係者)

 相撲協会に聞くと、

「(テレ朝には)本件はもとより今後についても誠実な対応を求めております」

 他方、テレ朝の角南源五社長を直撃すると、

「記者会見とかそういうものについては、“これまで通り取材させていただきたい”とお願いしているはずです。だから、取材できないという現状は残念です」

 と話す。件の特番についても、「公共性、公益性の高い視聴者の関心事を報じた」と胸を張っていたから、偽らざる心境であろう。

 最後に、コーポレート・ガバナンスに詳しい早稲田大学の上村達男教授も公益という言葉を口にし、問題点を指摘する。

「親方とはいえ元力士は経営の素人です。そんな人たちが理事の役職を務める相撲協会では、公益財団法人を名乗るに相応しいガバナンスが全くと言っていいほど効いていないのです。公正に正当な意見を集約する仕組みがない。だから、貴乃花親方を寄ってたかってイジメるような、偏った意思決定がまかり通ってしまう。今回の取材拒否の件も根底は同じだと思います」

 ムチならぬ無知ゆえに、公益の看板を濡らす雨が降り続けるのだ。

週刊新潮 2018年3月15日号掲載

ワイド特集「グレイテスト・ショーマン」より

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