あの養老乃瀧が「映像居酒屋 ロボ基地」に挑戦する理由 業界“先細り”の現実

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一種のカルチャーショック

担当者 お客様はコミュニケーションを求めておられるんです。店員が何のアニメのプラモデルか知っていれば、それをお客様に伝える。知らなければ、「何のプラモデルですか?」と話しかけさせていただく。やはり店員とお客様との交流が大事だという、居酒屋の原点みたいな話なんですけどね。そういうことを積み重ねていくと、店員が先回りして、「そのプラモデルを大事なお客様として、箸やおしぼり」を準備したりもします。お客様はプラモデルと酒を酌み交わして、我々のサービスを喜んでくださる、そんな店に成長してきています。

――最後は店員さんの力、ということですか?

担当者 いえ、それは違います。店の実力・魅力を100%として、接客の割合は50%でしかありません。やはりアニメ自体の魅力が厳然として50%あります。知的財産(IP)の許諾をいただいているからこそ、お客様は我々の店に来てくださったわけです。

 この「ロボ基地」のフードメニューは、我々の常識からすると割高なんですよ。これは理由がありまして、別に弊社が不当な利益を得ているというわけではないんです。版権の使用料がフードの価格に上乗せされているんです。

 我々は大衆居酒屋を営んでまいりましたので、良質な料理やアルコールを、できるだけ安く売るという使命で仕事に従事してきたわけです。値段を下げることはあっても、値段を上げるなんてことは考えたこともなかった。ところがお客様から「高い」とクレームをいただいたことは一度もないんです。むしろ会計の時に「楽しかったです」と感謝してくださる。非常にありがたい話ですが、強烈なカルチャーショックを受けているのも事実ですね。

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