産経新聞、橋下徹、長谷川豊……朝日「森友文書スクープ」に手の平返しの人々

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言論上の「過ち」は、どう正されたか

 論語の「衛霊公篇」に「過ちて改めざる是を過ちという」という有名な一文がある。「デジタル大辞泉」(小学館)は「過ちはだれでも犯すが、本当の過ちは、過ちと知っていながら悔い改めないことである」と訳している。

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 改めて財務省による「森友文書・書き換え問題」の原点を確認しておこう。3月2日、朝日新聞が1面トップで大きく「森友文書、書き換えの疑い 財務省、問題発覚後か 交渉経緯など複数箇所」と報じたのが全ての始まりだった。

 紆余曲折を経て、3月12日、財務省が書き換えを認めることが明らかになった。「安倍政権寄り」とされる産経新聞も、12日は1面トップで「森友14文書 書き換え 1つは開示請求後 財務省理財局職員が関与 政治家関連記述も削除 きょう国会報告」と大きく報じた。記事では特に、下記の2箇所が民放テレビ局のニュースなどで引用された。

《稟議書にも書き換えがあった。鴻池祥肇元防災担当相、平沼赳夫元経済産業相、鳩山邦夫元総務相(故人)、北川イッセイ元参院議員の各秘書らの働きかけがあったことの文面はすべて削除されていた》

《1つの文書から交渉の経緯などを削除しようとしたところ、玉突きで次々に書き換えせねばならなくなったという》

 他社にスクープされたら、自分たちもスクープで返す。これが新聞社の“基本理念”だ。産経新聞が12日に報じた1面記事は、それを実現したものと言える。だが率直に言って、これまでの産経新聞は、朝日新聞の書き換え報道に対し、牽制するような動きが目立っていたのは事実だろう。

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