63億円を騙し取られた積水ハウス 増加する不動産詐欺、「地面師」たちの手口とは

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63億円を騙し取られた積水ハウス

 昨年4月、品川区五反田の元旅館を巡って積水ハウスが63億円もの大金を騙し取られる事件が起きた。所有者を名乗る女性が、勝手に売買契約を交わして、まんまと金を騙し取ったのだ。その際、女性が示したパスポートや印鑑登録証明書は精巧に偽造されたものだった。本当の所有者である元女将は、入院中だったという(後に死亡)。

 騙されたことを知った積水ハウスは、警視庁に被害届を出したが、未だに犯人グループは捕まっていない。

 被害者が大手住宅メーカーであること、そして金額がケタ違いであることから、「地面師」による大型詐欺事件として騒がれたが、前出の「山田」は、その関係者の1人とされている人物である。

 山田を知る不動産関係者が言う。

「山田は、ブローカーとしてニセ地主(女性)と一緒に売却話の席にいたことが目撃されており、この一件では億単位の金を手に入れていると言われています。実際に事件後、彼は急に羽振りが良くなっている。フィリピンクラブで毎月500万円を使っているとか、大口の借金を返したという話が不動産業界で聞こえてくるようになった。また、知り合いにやらせている会社を使って都心のタワーマンションを2部屋買っています」

 後日、山田は本誌(「週刊新潮」)に連絡をしてきて、“自分も本物の地主だと思い込んでいた”と、事件への関与を否定したが、フィリピンクラブでのお大尽ぶりは、むしろ当事者であることを誇示しているかのようだ。

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