「朝日新聞」と小競り合いを続ける「安倍総理」の度量

政治週刊新潮 2018年3月8日号掲載

  • 共有
  • ブックマーク

 その数、既に5回――。

 安倍総理である。今国会の答弁の中で、朝日新聞を名指しした上で、繰り返し激しく批判しているのだ。

 国会担当記者の話。

「きっかけは、昨年5月に朝日が書いた森友学園に関する記事。朝日は、籠池泰典氏の証言として“学校名を『安倍晋三記念小学校』と書いて、設置趣意書を役所に提出した”と報じていたのです」

 ところが、である。財務省がその後、設置趣意書の黒塗り部分を公開したところ、
「そこには『開成小学校』と書かれていた。それで総理は“(朝日の記事は)真っ赤な嘘だった”“あきれた”“違ったのに訂正していない”と、まるで鬼の首を取ったように、朝日を口撃しているんです」

 もっとも、安倍総理の“朝日嫌い”は、今に始まったことではない。

「第1次安倍政権の際、安倍さんは、“戦後レジームからの脱却”“美しい国作り”を掲げ、朝日はその方針を厳しく批判していました」

 とは、政治部デスク。

「その結果、安倍さんは、自分に賛同する読売や産経といった保守系メディアを寵愛し、スクープを書かせましたが、朝日にいいネタは振られなくなり、両者の関係は冷える一方でした」

 とはいえ、

「安倍さんもさすがに大人になり、第2次安倍政権が発足した後は、朝日をはじめ、リベラル系メディアとの関係も、良好になっていったのですが……」(同)

“モリ・カケ”で朝日が安倍政権批判を展開したことで、関係が“先祖返り”してしまったというわけだ。

「それにしても、一メディア相手にここまでやるとは、品がなさすぎですよ」

 と嘆くのは、自民党幹部。

「今回、総理が執拗なのは、総裁選が近いからでしょ。自分のイメージに神経質になっている中、宿敵を叩ける材料を得てうれしくなり、飛びついたわけ。もっとどっしり構えていてほしいんだけどね」

 不毛な“小競り合い”は、しばらく続きそうだ。