ベルリンでも魅せた「二階堂ふみ」濡れ場のエッジ

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 2月15日に開幕したベルリン国際映画祭。その初日、レッドカーペットを派手な黄色のフリルドレスで颯爽と歩く二階堂ふみ(23)の艶姿があった。主演した「リバーズ・エッジ」が、映画祭での斬新な作品を集めたパノラマ部門のオープニング作品に選ばれてのこと。

 日本でも16日から公開されている行定勲監督の作品は、1990年代カリスマ的な人気を呼んだ岡崎京子の同名漫画が原作である。

 二階堂演じる主人公ハルナは、河の側(そば)のある住宅街に住む90年代の高校生。彼女の目を通して、イジメ、援交と、当時の高校生の鬱屈した世界観をリアルに描き出す、今日にも通じる危うさをはらんだ問題作だ。

「この作品、原作の漫画に惚れこんだ二階堂さんが行定監督に自分を主人公に映画化して欲しいと直々に掛け合い、実現したものです」

 そう語るのは、映画評論家の北川れい子さん。

「20代女優の中では際立って演技力のある彼女ですが、今回は特に自ら望んだ役どころ、どんな痛々しい現実を前にしても虚無的に受け流す女子高生を熱演しています。暴力的なセックスを強要されるシーンもあり、胸も露わに身を任せる。その体を張っての演技なんて、本当に鳥肌ものでした」

 2007年、13歳にして女優デビューした二階堂は、その後は映画、ドラマへと引っ張りだこに。清純派ヒロインも演じるが、14年「私の男」では浅野忠信相手に近親相姦する娘役を、16年「蜜のあわれ」では大杉漣演じる老作家に弄ばれる少女役など、激しい濡れ場も情感たっぷりにこなす。「私の男」では日本アカデミー賞優秀主演女優賞も受賞している。

「リバーズ・エッジ」とは、あえて訳せば“川のほとり”ほどの意味だが、さて、体を張ってのエッジのきいた演技をこの新作でも披露した二階堂ふみ、ベルリンでの評判はいかに――。

「クールな佇まいだけで多くを表現していたと、上々の反応でしたよ」(ドイツ在住のジャーナリスト)

週刊新潮 2018年3月1日号掲載

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