今年は「北川景子」に組織票?「日本アカデミー賞」の投票はブラックボックス

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樹木希林の勇気

 樹木希林は2008年3月、第31回日本アカデミー賞の受賞式会場で、この問題について言及した。何と自分自身が最優秀主演女優賞を受賞した時のことだ。

 この年は「それでも僕はやっていない」(周防正行監督/東宝)が高い評価を受け、報知映画賞、日刊スポーツ映画賞、毎日映画コンクールで作品賞を独占、キネマ旬報ベスト・テンでも1位に選ばれた。

 ところが日本アカデミー賞は「東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~」(松岡錠司監督/松竹)に作品賞や監督賞など5冠の栄誉を与えた。「それでも――」は助演女優賞しか取れず、もたいまさこ(65)だけが受賞という意外な結果に終わる。

「それでも――」はフジテレビが製作し、「東京タワー」の製作委員会には日本テレビが名を連ねていた。その日テレの生中継で「東京タワー」の栄光が伝えられるたび、一般の視聴者でさえ疑問が芽生えていったとの証言が残っている。そんな状況で、樹木希林は主演女優賞を獲得した。

 樹木は「私なら違う作品を選ぶ」、「半分くらいしか出演していないのに賞をいただいてしまって申し訳ない」、「組織票かと思った」と本音を吐露。最後に「日本アカデミー賞が名実共に素晴らしい賞になっていくことを願っております」と皮肉で結んだ。

 受賞式だけでなく複数のインタビューでも樹木は一貫して松岡錠司監督(56)を批判し、「賞を取るほどの作品ではない」と投票の公正性に疑問を提示し続けた。

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