阿部寛が台湾地震に1000万円寄付で、なぜかムッとした瞬間

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何を話せばいいんだ?

 だが、アベちゃんの思いはまだ満たされていなかった。その後に行われた現地紙「アップルデイリー」の独占取材でも、新製品そっちのけで震災についてアツく語った。

「2日前から台湾に滞在していまして仕事で、台北のホテルにいたんですが、実際に(地震を)体験しまして、その後の余震も体験しております。東北の大震災の時には、台湾のみなさんに多大なるご支援をいただいて、日本人の誰もが感激と感謝をしておりますし……」

 ところが、そこへ主催者側から制止が入る。

「あ、(震災の話は)しないほうがいい? ん、どうして!」

 一瞬、ムッとするアベちゃんを「アップルデイリー」はこう伝えている。

《まさかスタッフから止められるとは思わず、彼は困惑した表情で「それなら今、何を話せばいいんだ?」とでもいうようにしばらく戸惑っていた……》

 その様子は動画でも公開された。それを見て映画「テルマエ・ロマエ」のアベちゃんを思い出した台湾人が多かったのだ。

 古代ローマと現代日本を何度もタイムスリップし、浴場やトイレにカルチャーショックを受けながら、周りの空気などお構いなしで研究に勤しむ設計技師ルシウスを描いたコメディ映画だが、その中でアベちゃんは常に真面目だ。

 日本人でありながら古代ローマ人を素顔で演じきり、現代日本人役の上戸彩(32)らを「平たい顔族(=日本人)」と呼んでも、全く違和感を感じさせない濃い顔の持ち主だからこその役どころ……日本でも話題となった。

 その濃い顔で、宣伝大使を務めるエアコンなどお構いなしで台湾への感謝を熱く語り続けるアベちゃんの姿が、台湾人にはルシウスを彷彿とさせたのだ。

 台湾のネットユーザーからは「ありがとうローマ人!」というコメントも寄せられた。

 台湾にこのくらい洒落っ気と余裕があるなら、日本人も安心できる。

 ありがとう、アベちゃん!

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週刊新潮WEB取材班

2018年2月25日掲載

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