生誕65年「テレサ・テン」の遺品が台湾で“ゴミ扱い”されている

芸能2018年2月23日掲載

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 1980年代に日本で絶大な人気を誇った台湾出身の歌手テレサ・テン(1953~95)。その人を知らない若い人も、上司や先輩がカラオケで歌う「つぐない」「愛人」「時の流れに身をまかせ」を聴いたことがあるのではないだろうか。

 生誕65周年の今年、日本ではCD4枚組のベスト盤 も発売される予定だが、彼女の故郷・台湾では、彼女の記念館 は閉鎖、遺品はゴミ扱いになっているという。

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 テレサ・テン(鄧麗君)は1953年、台湾北部の雲林県で生まれた。父は国民革命軍(中華民国軍)の職業軍人であり、中国共産党との内戦に敗れ、49年に妻と共に台湾に渡った、いわゆる外省人だった。彼女の生涯に詳しい台湾在住ジャーナリストが説明する――。

「台湾では、10歳の時に歌唱コンテストで優勝。天才少女と呼ばれて14歳で歌手デビュー。18歳の時には香港でレコードをリリースするなど、日本にやってくる前に東南アジアの歌姫だったそうです」

 彼女が初めて日本にやって来たのは73年、20歳の時だった。拠点は香港だったが、翌年から日本での歌手活動をスタートして「空港」がヒット。その年のレコード大賞などの新人賞を総なめにする。順風満帆に思えたが、79年になって事件は起こる。

「来日した際のパスポートが台湾でなくインドネシアのものであったために、国外退去処分を受けたんです。72年の日中国交正常化で、日本は台湾とは断絶してしまっていたので、当時は台湾パスポートで入国するのは手続きが大変だったそうです。半ば当たり前にように行われていたことだったそうですが、有名になって目をつけられたんでしょうね」

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