経済評論家・三橋貴明氏が自らの“夫婦喧嘩で逮捕”の顛末を語る

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核家族の弊害

 痛感したのは「核家族の弊害」だという。マンションで、三橋氏と妻、そして生後5カ月の子供との3人暮らし。双方の実家は東京から遠く、なかなか行き来は難しい。

「私と妻が対立しても、大家族なら誰かが間に入ってくれる。あと昔は仲人さんが喧嘩の仲裁をしてくれたとも言います。でも、今は妻だけでなく、夫である私も孤立しているわけです。誰か、間に入ってくれる人が近くにいれば、状況は違っていたと思います」

 一方、“財務省の陰謀説”という擁護の意見にも「今回の逮捕は完全に私自身の責任です」と否定する。

「これからも必要のある限り、財務省は批判します。もちろん怖いですよ。特に今の状況で国税の査察を受けたら、イメージダウンは計り知れません。しっかりとした税理士さんに経理を見てもらっていますが、税金は裁量の部分も大きいため、どうしようもない場合もあります。更に痴漢冤罪の懸念も払拭できていませんから、未だに電車には乗れません」

 苦しい状況下にあっても、嬉しかった出来事もあった。逮捕の影響で講演のキャンセルが相次ぎ、謝罪を重ねる中、「予定通り講演してほしい」という主催者もいたという。

「主催者の方々と、お目にかかったんです。私が19歳の妻と喧嘩を繰り返し、警察に逮捕されるような馬鹿男であっても、日常的に妻へ暴力を振るう夫ではないことは、会えば誰でも分かると思います。『本当にあなたは馬鹿だ。でも話は面白くて、正しいから予定通り呼ぶよ』と、お客様が言って下さったのは力になりました。そして講演で聴衆の皆さんに謝罪し、事実を説明できたのもありがたかったです」

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