過労死の先にある真相を探る! 石原さとみ主演「アンナチュラル」第4話

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

Advertisement

たとえ花火のように散るとしても

 ミコトたちは、久部が導き出したバイク損傷の痕から、市内のマンホール2000カ所を調査することにする。佐野の死因究明の鍵となるこの調査に、ミコトは佐野の長男を同行させる。

 一方、みずからも過労で倒れた松永は、復帰するやいなや工場のラインを止め、2日間の休みを宣言する。「仕事へのプライドはないのか!」と怒鳴り込んできたケーキ屋社長に「あんたよりあるよ! 商品への愛情もある……だけどね、人を死なせてまでやることなのか!」と言い返した気迫に、松永の良心と、部下を守る管理職の責任感を見た。
 
 その後、工場メンバーの協力もあり、事故現場となったマンホールを発見して、付近の監視カメラに残されていた映像を見るミコトと久部。「僕も見たい」と覚悟を示す長男に、ミコトは父が1カ月前の花火の夜、アスファルトに叩き付けられた様子を見せる。

 佐野の事故は、超過勤務による疲労と、社長のホームパーティにケーキを届ける際にバイクで滑ったことによる外傷が重なって起きたものだった。佐野が必死の思いで届けたケーキは、その後、はしゃぐパーティの客たちによってテーブルから落とされて崩れる。ぐしゃっと潰れるケーキ、佐野の事故、舞い散る花火。ここだけスローモーションで映像が重ねられ、労働者の過酷な現状、それを省みもしない無邪気で乱暴な人々、すべてを飲み込む無常の花火が主題歌、米津玄師の「Lemon」にあわせて展開されたシーンは、第4話のクライマックスだった。

次ページ:中堂系の抱える闇

前へ 1 2 3 4 次へ

[3/4ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。