タイ軍政No.2が超高級腕時計 ネットで“特定”批判集中

国際 週刊新潮 2018年2月1日号掲載

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 あ、これってリシャール・ミルじゃないか──。

「写真の主は政権ナンバー2のプラウィット副首相兼国防相。たまたま日差しが強く、腕をかざしたのですが……」(外信部記者)

 タイでは昨年12月に内閣を改造。掲載の写真は、閣僚一同を撮影中の一コマに過ぎなかった。

「ところが、すぐにネットで、あの腕時計はスイス製の超高級腕時計だ、指環もダイヤ入りの高価なものだ、と噂が広まります」(同)

 リシャール・ミルは腕時計界のF1とも言われる超高級ブランド。ネット民は、それがRM029と呼ばれる型番で約1200万円もするものだとすぐに分析。

「これを弾みにプラウィットの画像解析があちこちで行われ、次々に別の高級時計を発見。軍政下にあるタイですが、さすがに政権も無視できず、国家汚職追放委員会が動きました。が、副首相は『友人4人から借りた』『もう返した』と言い訳しています」(同)

 政治家に比べれば清廉と信じられている軍人だが、この弁明には国民も大笑い。

「軍人らしからぬ体型や放言などから、どこか憎めないゆるキャラ的存在の副首相ですが、陸軍司令官などを歴任した実力者。軍政が続く間は、彼の辞任や更迭なども有り得ないでしょうね」

 と、東南アジア各地を取材しているジャーナリストの大塚智彦氏は見る。

「ただ、これだけ明白な話なので、政権もさすがにこの件ではマスコミの弾圧やブログの閉鎖もできない」

 斯くして1月半ばまでに、ロレックス11本、パテックフィリップ8本、ミル3本、オーデマピゲ2本、ランゲ&ゾーネ1本の計25本、約1億4000万円が確認された。

 年内には民政へ向けて総選挙の実施が公約されているタイ。まさに「手腕」が問われている。