スパコン事件が風雲急 「山口敬之」の携帯電話を押さえた特捜部のターゲット

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携帯電話を提出

「実は……」

 と、永田町関係者が、こんな打ち明け話をする。

「山口は自身が使用する携帯電話を、検察に対して任意で提出したようです。齊藤が逮捕されたのが昨年の12月5日で、起訴が25日。その間のことだと聞いていますが、当局としては山口に、“あなたの逮捕はないから”と匂わせたうえで、『協力者』に仕立てる算段があったのではないでしょうか」

 ITジャーナリストの井上トシユキ氏に尋ねると、

「そもそも、警察や検察といった捜査機関は、ドコモやソフトバンク、auといった携帯電話会社に加え、LINEなどの通信アプリ会社に対して、“捜査にご協力を”と言って、容疑者の通話履歴やメールなどの送受信履歴を提出させることが可能です」

 これを捜査関係事項照会と呼ぶ。

「そのため、通話やメールの履歴を見たいだけなら、わざわざ携帯を提出してもらう必要はないのです。ではなぜそうしたのか。1つめはブラフというかプレッシャーをかけること。2つめはそこに残された写真を見るため。撮影していてもそれを誰かに送っていなければ、たとえ電話会社に依頼しても手に入れられませんから。電話帳のデータも同様ですね」(同)

 そして3つめは、少し入り組んだ形なのだが、

「相違点を見出す、とでも申しましょうか。通話などの履歴を事前に取り寄せておく。そこで携帯を提出させる。その際に相手は『危ないメッセージ』を消去する可能性がある。元のデータと照合し、どれを消したのかを把握することで、何が重要か、秘密にしたい事柄かが自然と見えてくる。ちなみに、提出前に写真やメールを削除したとしても、携帯の筐体を壊すことなく、民間の会社でもほとんどのデータが復元可能。もちろん、特捜部でも同じです」(同)

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