カトリーヌ・ドヌーブ曰く「女の権利が女を弱くする」 #MeToo運動にひとくさり

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 華やかなレッドカーペットが、黒一色に染まった。アカデミー賞の前哨戦といわれるゴールデングローブ賞。米・ロサンゼルスを舞台にした映画の祭典だが、75回の今年はアンジェリーナ・ジョリー、ニコール・キッドマン、ナタリー・ポートマンを始め、参列した女優たちのほとんどが、黒い衣装に身を包んだのである。

 それは、性的被害を受けた女性たちによる「#MeToo」運動への連帯を示す姿だという。昨年10月、ハリウッドの大物プロデューサー、ハーベイ・ワインスタイン氏のセクハラ騒動に端を発したこの運動は、SNSのツイッター上で「ワタシも」と性被害を受けた女性たちの告発を呼びかけるもの。

 今や全世界へと広がっている運動に、突如として水を差したのが、フランスを代表する女優のカトリーヌ・ドヌーブだった。

 ゴールデングローブ賞授賞式からわずか2日後の1月9日(現地時間)、仏の高級紙「ル・モンド」で、

〈男には女を「口説く自由」が認められるべき〉

 という趣旨の「公開書簡」を発表した彼女は、作家、教員など約100名のフランス女性文化人との連名で、「#MeToo」運動への異議を唱えたのである。

 ドヌーブといえば、「シェルブールの雨傘」「昼顔」で一世を風靡し、女性への暴力を撲滅する社会活動にも積極的な女優。本来なら、ハリウッドの後輩たちと連帯してもいい筈だが……。

 さっそく冒頭を読むと、

〈レイプは殺人のように重大な犯罪である〉

 と前置きをした上で、

〈しかし、執拗だったり不器用なナンパは犯罪ではないし、誘惑の作法を痴漢と見做すのは違う〉

 男性が言い寄るのはセクハラと異なるとし、流行りの運動をこう切り捨てる。

〈まるで魔女狩りのように、女性たちの保護や解放を口実に、彼女たちを永遠の被害者で、男尊女卑に支配された可哀想でちっぽけな存在にしている〉

 つまり、こういうことだ。ドヌーブ曰く、女性たちが被害者であるとその権利を叫ぶことは、結果としてその地位を弱いものに貶めていると警鐘を鳴らすのだ。

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