「沖縄知事選」前哨戦、菅官房長官が頼む“シモちゃん”効果

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 いぬ年と一口に言っても、2018年の干支は戊戌(ぼじゅつ)(つちのえいぬ)と呼ばれ、繁栄と滅亡の分かれ目の年という意味がある。 

 国政選挙の予定がない今年、注目されるのは11月の沖縄県知事選だ。菅義偉官房長官(69)が翁長体制を“滅ぼす”ために動いているのである。

 政治部デスクの解説。

「沖縄問題をライフワークとする菅さんは最近“辺野古問題は終わった”と話しています。護岸工事にもすでに着手し、粛々と進めていく予定。移設実現に向け、翁長雄志沖縄県知事を引きずりおろすのが、菅さんの今年の目標です」

 その前哨戦となるのが、今月28日に告示となる名護市長選。翁長知事に近い現職の稲嶺進市長と自民党が擁立する渡具知(とぐち)武豊候補の対決となる。

「菅さんは昨年末に沖縄を訪問し、渡具知さんを激励しました。年明けからも党幹部が続々と沖縄入り。党本部は並々ならぬ意気込みを見せています」(同)

 前回は約2万票を獲得した稲嶺市長に4000票差で自民が敗れているが……。

「選挙の秘策を菅さんは周囲に漏らしているんです」

 とは、官邸関係者。

「曰く“公明党の選挙協力に加え、シモちゃんがいれば、勝てる”と。シモちゃんとは日本維新の会で沖縄1区から出馬した下地幹郎衆院議員のことです」

 2人は1996年初当選の同期だ。

「下地さんのお兄さんが県の建設業協会会長を務めていることもあり、2年前の宜野湾市長選でも菅さんは協力を要請していました。名護には下地票だけで2000票、公明票も2000票と言われるので、逆転は可能というわけです」(同)

 ところが、先のデスクによれば、

「下地さんは公明党と折り合いが悪く、下地さんが動けば公明党は引く。菅さんは記者の前では“勝てる”と強気ですけど、ここで負ければ“打倒翁長”の機運も躓(つまず)くことになります」

 “犬と猿”の仲を取り持てるか。

週刊新潮 2018年1月18日号掲載

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