裕木奈江「23年ぶりの連ドラ」出演で蘇る女性誌バッシング報道

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話題作がバッシングの温床

 さらに92年から93年にかけて、なんとJRAのCMで故・高倉健(1931〜2014)と共演。さらにステージを上げた印象を与え、そして93年に最も当たり役となり、さらに強烈なバッシングを生んだドラマに出演する。

 それが「ポケベルが鳴らなくて」(日本テレビ系列/93年7月~9月)だ。企画は秋元康(59)、演出の1人に堤幸彦(62)の名前を見つけることができる。親友の父親と不倫に陥るという設定。父親を故・緒形拳(1937〜2008)が、裕木は旅行代理店の社員を演じた。一見清純そうだが、実は魔性の女という役柄だ。

 これに女性は強い反応を示す。まず消しゴム版画家であり、エッセイストとして人気だった故・ナンシー関(1962〜2002年)が「週刊朝日」(当時・朝日新聞社)で連載した「小耳にはさもう」に「はじめまして裕木奈江と申します」(93年9月10日号)を掲載する。

 平成の世にふさわしい「魔性の女」は《意外にも裕木奈江なのではないか》と指摘。新聞のテレビ欄に掲載された、ドラマ「ポケベルが鳴らなくて」を絶賛する40代サラリーマンの投稿を紹介する。《「中年男(緒方拳)に積極的にアプローチする若いOL(裕木)がいい。われわれに夢と希望を与えてくれる」》というものだ。

 ナンシー関は裕木奈江の特徴を「小動物」「無邪気」「意識的な無意識」といったキーワードで表現し、いかにも男性の“保護欲求”を満たしそうなキャラクターである裕木奈江に、中年男性が敏感に反応していく状況を呆れてみせた。

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