あなたはまだ「滋賀県」を知らない 「100歳以上」2人「90歳以上」10人超の長寿村

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400人の集落に「100歳」2人「90歳以上」10人超!

 滋賀大学名誉教授の堀越昌子さんは、こんなことにあらためて「滋賀県がすごい」と指摘する。

「伝統的な食文化がそのままの形で残っています。原因として考えられるのは集落の結束の強さ。だれかが手放した田んぼを、ほかのメンバーが共同で維持するのを集落営農といい、これがうまくいっている集落が滋賀には非常に多いのです。滋賀はパソコンやスマホの普及率もトップレベルですが、全国を行脚した近江商人から続く好奇心の表れかもしれません」

 そんな伝統が息づき長寿が実現している集落がある。米原市大野木。大野木長寿村まちづくり会社を立ち上げて活動する76歳、77歳、82歳の3人は、

「大野木は400人ほどの小さな集落ですが、百寿者が2名、90代が十数名、80代が何十名もいます」

 と語るが、なにが行われているのだろうか。

「木曜に400円の手作り弁当の宅配サービス。水曜は“たまり場”を開放して交流スペースにする。土曜は“たまり場”で、200円の昼食サービスと認知症の対策講座。講座は15名ほどが囲炉裏を囲んで昔の話をしたり、切り干し大根作りや柿の皮むきなど手先を使う作業をしたりもします。すでに認知症の人は、講座に参加して進行が止まったそうです。“たまり場”に集う最高齢は99歳で、認知症にもならず足腰もしっかりしています」

 まちづくり会社は、病院への送迎や草刈りなども安価で行っているが、

「弁当や昼食を作る女性や、有償で送迎や家事を行う人も60代から70代で、力を合わせての仕事が彼らの生きがいにもなっています。土曜の昼食に満員になるほど人が集まるのは、大野木がコミュニティとして強く結束している証明です」

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