「浅野ゆう子結婚」を浅野温子が祝福 ドラマ「抱きしめたい!」を布施博が振り返る

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「芝居が役者のものだった」

 まだ人件費が安い時代だったが、今と変わらない1本あたり3000万〜4000万円はかかっていたという。まさに、時代の為せる業だった。さらに、

「芝居が役者のものだったということがあります。どれだけ良い演技をして相手を圧倒するか、演技の場はすなわち、勝負の場でもあったんです。最近のドラマはカットを細かく割って、監督が最初から役者に芝居をつけるというやり方です。一方、当時の演出の仕方は、『じゃあ、とりあえず、やってみて』から始まる。まず俺たちの芝居を見るんです。ある意味、役者に任せてくれていた。だから役者たちは本を渡されてから、いろいろ考えて解釈し、いくつもの演技パターンを試していく。相手もそれに反応して、切り返す。それを見て、演出家は良い演技を選択し、修正をするという形でドラマが作られていた」(同)

 その結果、どういうことが起きるかと言えば、

「役者の解釈や引き出しがいきなり問われるわけです。だからこそ、役者同士の掛け合いが激しくなる。役者同士、良い作品、良いシーンを作り上げるために死力を尽くしているわけで、自然と相手に勝ちたいという気持ちも出てくるんです。『抱きしめたい!』は2人の掛け合いが多かった分、演技する上でライバル心が芽生えたと思います」(同)

 先の山田氏によれば、打ち合わせ以外の場で、2人が親しく話をする場面はなかったという。プライベートで付き合う関係でもなかったようだが、

「あの頃は、みんな若かったし、寝る間もないくらい仕事もたくさんあった。そして、張りつめていた環境だからこそ良い芝居もできた。振り返れば、本当に良い時代だったと思います。俺も40年くらい役者をやっていますが、W浅野に匹敵するような女の闘いは見たことがありません。とてもじゃないけど、今の女優さんには真似できないと思いますね」(布施)

週刊新潮WEB取材班

2017年1月14日掲載

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