ヒップアップは「仙腸関節」から! 骨格矯正の第一人者が教える「立ち方」エクササイズ

ライフ週刊新潮 2017年10月12日号掲載

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10歳若返る! 基本動作を改め「万病」予防――清水六観(1)

 自身の健康を気遣う人にも、意外に盲点なのが動作や姿勢だという。だが、たしかに動作や姿勢を支える骨盤という“土台”が緩めば、身体は“倒壊”してしまうはずだ。骨格矯正の第一人者が、日々のわずかな心がけで、堅牢な“土台”を築き直す方法を伝授する。

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「仙腸関節」をご存じでしょうか。健康はこの関節から始まると言っても、決して過言ではありません。

 私たちの体内には、仙骨、腸骨、坐骨、恥骨などが集まってできた骨盤があります。その中央にある仙骨は、左右に張り出した腸骨とかみ合って「仙腸関節」を構成しています。仙骨と腸骨はここで、バンドのような筋肉や靭帯でしっかりと固定されているので、ジャンプしても、だれかをおんぶしても、骨盤はなかなかズレないのです。

 この「仙腸関節」は、身体の上下をつなぐ唯一の関節で、ここを軸に、骨盤全体として身体を支えています。家にたとえれば土台であり基礎。ここが揺らげば上物はやがて傾き、倒壊してしまいます。

 がっちりと固められている「仙腸関節」は、たしかに動きにくい。しかし、いつまでも動かないというわけにはいきません。ゆがんだり、ねじれたりする場合があるのです。

 女性は生理や出産の際に分泌される女性ホルモンの影響で、“筋肉のバンド”が弛み、仙骨と腸骨の間に隙間ができてしまいがちです。すると、骨が動いて骨盤がゆがみやすくなる。もちろん男性も油断はできません。同様の隙間が加齢によって生じ、一般に40歳をすぎると、骨盤がゆがみやすくなります。

「仙腸関節」がゆがむと影響は全身におよびます。たとえば、骨盤が開いて後傾すると、猫背の原因になります。猫背は背骨が前に倒れている状態で、こうなると背骨で吊るされた内臓は下垂してしまいます。

 背骨には脊髄が通り、吊るされたさまざまな臓器を司る神経が集中しています。背骨が曲がったり、ねじれたりすると、そうした神経にも支障が出て、食欲不振や胃もたれ、胃下垂などになります。さらには交感神経や副交感神経の働きに異常が出ることもあり、こうなると、呼吸器や循環器などにかかわる病気のリスクも当然、高まります。

 猫背で肩が前に出ると、押された肺が内側に入って小さくなる、というデメリットもあります。すると呼吸がスムーズにできずに肺活量が下がり、血中酸素濃度が低下してしまう。その結果、血がドロドロになって、血流の悪化によって疲れやすくなったり、集中力が低下したりします。

 血流が悪くなると、筋力や基礎代謝の低下にもつながって、肥満や冷え性にもなりやすくなります。

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