パチンコ大手「ユニバーサル」元会長、家族に裏切られた解任劇を語る

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ラスベガスに進出

――ユニバーサル社から追放されたのにも拘わらず、岡田氏が経営復帰にこだわるのは、カジノビジネスに対する執着もあるからだろう。岡田氏は17年前にラスベガスに進出するために「ウィン・リゾーツ」に出資。カジノホテルを成功させたが、途中で仲違いを起こし、裁判の応酬になってしまう。

「私は十数年前からパチンコ業界を脱出したいと考えていました。カジノが国際的な社交場として認められてゆく中で、業態を切り替えなくてはいけないと言っていたんです。そこでスティーブ・ウィン(ウィン・リゾーツの創業者)と出会った。当時(2000年)、彼は厳しい訴訟を抱えており、応援する者がいなかった。しかし、私は彼の能力を分かっていました。そこで資本金、役員メンバーなどが半々となる条件で共同事業を始めたのです」

――ユニバーサル社はアメリカの子会社「アルゼUSA」を通じて、約3億8000万ドルを出資。岡田氏をパートナーに迎えたウィンは05年、カジノホテル「ウィン・ラスベガス」を完成させる。大人向けの高級リゾートとして高い評価を得ると、次に、マカオに進出する。ところが、ここで亀裂が生じる。

 そのひとつが、マカオの大学の基金に1億3500万ドルもの大金を寄付するとウィンが表明したことだった。だが、岡田氏は金額が多すぎると反対する。調べてみると、基金のメンバーはカジノ関係者で大学とは関係がなかった。また、カジノのライセンスを取得するために120億円もの大金が使われたことにも岡田氏は不信感を隠せなかったと言う。すると、ウィンは、急に「牙」を剥いてきた。

(下)へつづく

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週刊新潮 2017年12月14日号掲載

特集「『ユニバーサルエンターテインメント元会長』独占告白! パチスロ界のリア王『岡田和生』が明かす『解任劇』と『裁判闘争』」より

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