政権1年を前に… トランプを悩ます「国務長官罷免」と「ロシア疑惑」

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 米の主流メディアが、ティラーソン国務長官(65)の更迭を11月30日に一斉に伝えた。また?

「10月初旬にも、国務長官が大統領を“脳足りん(モロン)”と呼んでいたと更迭説が話題になりましたが、今度はもっと断定に近い。国務長官自身が否定しても更迭報道が止まらないのは、政権首脳のリークがあるから。黒幕はケリー首席補佐官です」(外信部デスク)

 自分からは“お前は首だ”と言わずに、辞任へ仕向けるのがトランプ流。

 今回は、大統領の娘婿のクシュナー上級顧問もホワイトハウスを出る、との観測が一部で報じられている。

「政権1年を前に人心一新ということでしょう。ここに来て、政権発足時の安全保障担当補佐官だったフリン氏が、ロシア疑惑に絡み一部で虚偽供述での有罪を認めた。司法取引でモラー特別検察官に捜査協力していて、次のターゲットはクシュナー氏だと見られているのです」(同)

 つまりは、トランプ氏の人を見る目が怪しいのだ。

「結局、ティラーソン氏は国務省を全く掌握できなかった。国務省は米国のトップ官庁ですが、その主要ポストの約3分の2が未だに空席。現在の北朝鮮問題を前にして、アジア太平洋局担当の次官補や駐韓大使さえ決まっていないのです」

 と国際ジャーナリストの春名幹男氏も批判的に見る。

 国務長官の後任候補はポンぺオCIA長官。陸軍将校から政界へ転じた人物だ。

「従軍経験のないトランプ氏は、軍人にはコンプレックスがある。しかし、軍人が息の長い外交交渉を戦略的に行えるかどうか、非常に疑問ですね」(同)

 世界も混迷を続けそうだ。

週刊新潮 2017年12月14日号掲載

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