日銀「黒田総裁」後任レース 本命・対抗・大穴は

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アベノミクスの提唱者

 だが、ここにきて“大穴”と目されていた人物が侮れなくなってきた。

「11月24日、安倍総理は首相官邸で来客をもてなし、彼らと昼食に釜飯を食べています。そこには意外な人物が同席していたのです」

 こう語るのは、先の政治部記者だ。

「安倍総理と釜飯に舌鼓を打ったのは内閣官房参与の浜田宏一さん、経産省出身の今井尚哉秘書官、そしてもう1人が本田さんだったのです。彼が安倍総理と顔を合わせたことで、“次期日銀総裁への打診ではないか”と、大騒ぎになりました」(同)

 その本田さんとは、スイス大使の本田悦朗氏(62)を指す。日銀幹部がいうには、

「元大蔵官僚の本田さんは、5年前に第二次安倍政権が発足する直前に退官し、内閣官房参与に就任しています。彼は、浜田さんや元日銀審議委員の中原伸之さんなどと並ぶ、安倍総理の経済ブレーン。“アベノミクス”立案者の1人といわれ、7月に日銀審議委員に就任した片岡剛士さんは“超リフレ派”。同じ考えを持つ本田さんの強い意向が働いたと囁かれています」

 安倍総理と会食した後の午後4時、本田氏は再び首相官邸を訪れている。

「本田さんが再び首相官邸に足を運んだのは、菅官房長官との面談が目的。その4日後、新聞紙上で黒田さんの金融政策をボロクソ批判し、総裁候補といわれていると水を向けられると、“これだけ意見をいって引き受けないわけにはいかない”と、総裁ポストに意欲を示しました」(同)

 ポスト黒田は、早ければ年内にも結果が出る。

週刊新潮 2017年12月7日号掲載

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