父親とはまるで違う! 「河野太郎」外相が「ポスト安倍」のダークホースに急浮上

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 ポスト安倍といえば、永田町では本命・岸田文雄政調会長(60)、対抗・石破茂元地方創生相(60)と言われていたが、ここへ来て、俄然評価が高まっているのが河野太郎外相(54)だという。

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 河野氏といえば、この8月の第3次安倍第3次改造内閣で外務大臣に抜擢されるまで、“自民党の異端児”“与党内野党”の異名を欲しいままにするなど、党内では変人扱いされてきた。

 政治部記者が言う。

「直近では、昨年、稲田防衛大臣のPKO日報隠蔽問題に対しても、行革担当大臣だった河野氏が『絶対、どっかにあるからきちんと探せっ!』と再調査を要求して探し出し、防衛省の公文書管理体制を批判していました。今でこそ外務大臣ですが、ODA(政府開発援助)のあり方を巡っては、自分のブログで“害務省”とまで書いていた人です。党の方針に囚われない人なので、外相になるらしいと話が出た時には、『これは大変だ』という声が上がったほど」

 祖父は建設大臣などを歴任した河野一郎、父は自民党総裁ながら首相になれなかった河野洋平氏という政界のサラブレットである。だが、ハト派で鳴らした洋平氏、北朝鮮には米50万トンの支援を決定し、台湾の李登輝前総統訪日を中国に反対されると、ビザ発行に反対、韓国との慰安婦問題では、かの国がいまだに強制があった証拠として持ち出す「河野談話」(93年)の発案者の息子であるというのも懸念材料だった。

 さらに洋平氏が肝炎により肝臓移植をしなければならなくなったときにドナーとなったのが息子の太郎氏だった。親子の美談は、むしろ日本の外相が、韓国や中国にまで利用されることになるのではないかとも言われていたのである。

ハトがタカを生んだ?

「事実、中国マスコミは“父親は知中派の河野洋平氏だ”と報じて歓迎していましたからね。しかし、就任した太郎氏のイメージはまるで違っていたんです」

 太郎氏は外相就任直後、フィリピンで中国の王毅外相とともに報道陣を前に会談に臨んだ。

「王外相は『河野大臣の父親の洋平氏は正直な政治家で、慰安婦問題での談話も日本の誠意を代表していた。今回、この外務大臣就任に多くの人か期待したが、会議での発言には率直に言って失望した』と言い出したんです。その前の会談では中国による南シナ海の軍事拠点化を非難していたそうですからね。ただ、この会見ではいきなり“失望”といわれてカチンときたらしい。『中国に大国としての振る舞い方を身につけてもらう必要がある』とやり返したんです。ハト派の洋平氏とは異なり、言うべきことは中国にも毅然とした態度を取る河野外相を、トンビならぬハトがタカを生んだと思ったんじゃないでしょうか」

 こうした姿勢は韓国に対しても同様だ。島根県竹島の領有問題を巡り、韓国が防衛部隊創設計画を明らかにすると、「まったく受け入れられない」と厳重抗議。11月のトランプ大統領の訪韓に際して、「独島エビ」なるエビを振る舞ったことにも抗議している。

 また洋平氏の「河野談話」に関しては、産経新聞のインタビューにこう答えている。

「俺じゃないですから。別の河野さんだ。河野談話への評価は『本人に聞けよ』という話じゃないですか」

 韓国の慰安婦問題に関しては、

「平成27年末の日韓合意は政府間の合意なんだから、韓国政府としても反故には出来ません。『ゴールポスト』はもう固定されている。合意内容は後退しようがないんです」

 北朝鮮に対しも、

「北朝鮮が『このままでは明るい未来はない』と考えて核・ミサイルを放棄し、拉致問題を解決して対話のテーブルに着くところまでしっかりと追い込む」

 むしろ安倍首相よりも強気な外交姿勢である。中国への切り返しといい、そのコメントもどこか華がある。

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