急逝・野村沙知代さん、本誌に明かしていた克也氏「楽天解任劇」への怒り

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ベンチの中で死に損ね

「テレビ出演等に関する主人のスケジュールを、私の秘書が管理しているのを球団が煙たがっていたという話もあるようですが、それもおかしな話です。テレビ局からの出演オファーは、まず球団の広報に行って、それから私の側に回ってくる。つまり、全て球団も承知していることなんです。

 主人自身が、『ワシは女房の支配下選手や』なんて言うから誤解されるのかもしれませんが、それはあくまで家庭内でのジョーク。主人は、好きな時計やらベルサーチの服やらを、見境もなく次々と買ってしまう。そういう点で私が手綱を締めているんであって、野球の話に関して私の“支配下”だなんてことはありません。

 75の節目の歳まで監督を続けさせてあげられなかったのは、本当に無念です。どこか、ユニフォームを着て働けるところがあればいいんでしょうけど。今後のことはまだ何も考えていません。“野村-野球=ゼロ”と言われますが、その通りかもしれませんね。

 主人は最近まで、優勝して選手たちにワーッと胴上げしてもらって、下ろされた時には『あれ、監督?』と言われながら既に息絶えていた、というのが野球人の理想だと語っていました。だから私は、『ベンチでコロッと逝きなさい』って、しよっちゅう冗談で言ってたんです。主人も『はーい』なんて答えていました。

 結局、今回の解任で、主人はベンチの中で死に損ね、野球人としての死に場所を永遠に失ってしまったことになるんですかね?」

 ***

 克也氏によれば、沙知代さんの最後の言葉は「手を握って」だったという。このインタビューから、“鬼嫁”として彼女を突き動かしていた原動力は、夫への愛情であることが読み取れるのだった。

週刊新潮WEB取材班

2017年12月9日掲載

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