93歳「ムガベ大統領」辞任 発端になった“52歳浪費妻”

国際

  • ブックマーク

Advertisement

 ムガベ・ジンバブエ大統領(93)が11月15日のクーデターにより退任を迫られ、21日に辞任した。37年に亘る政権もついに終焉を迎えた。

 発端は、11月6日に発表されたムナンガグワ副大統領(75)の解任。それは、グレース大統領夫人(52)を後継指名したも同然だった。

「3年前、女性副大統領のムジュル氏が解任され、代わって夫人が与党ZANU-PFの女性部門トップになり台頭したのです」(同)

 今回は、長年政権を支えてきた古株の党員や軍人までが、“次は我々か”と恐れて反旗を翻したのだった。

 このグレース夫人は、元は空軍将校の妻。ところが、ムガベ付のタイピストを経て愛人となり、ムガベの前妻死去後の1996年に正式に結婚。1女2男がいる。

 が、とにかく悪評続々。パリでは約1500万円もブランド物を買い漁り、娘の留学先の香港では英国人カメラマンを殴打、今夏も南アフリカで息子と親しくしていた女性モデルに怪我をさせ……。どうもキレやすい。

「私もグレースに大統領の資質があるとは思いません。ただ、夫の威光だけではなく、クーデター側の支持層とは異なる女性や若手党員の不満の受け皿となり、彼女自身が一定の支持を集めていたこともたしかです」

 と話すのは、アフリカ事情に詳しい三井物産戦略研究所の白戸圭一氏。

「どうも独裁の一語で誤解がありますが、あの国には野党だってあるし、市民社会がきちんと機能しています。今度のクーデターでも、諸勢力に配慮していて流血がないのはその表れですよ」

 要するに、トランプさんのような女帝だったのだ。

週刊新潮 2017年11月30日号掲載

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。