「白鵬」が「ビール瓶」否定の背景に「時津風部屋事件」

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「ビール瓶=殺人」の記憶

 だがそれ以前に、

「角界では、ビール瓶は特別で象徴的な意味を持つんです」

 と、スポーツ紙の相撲担当記者が「日馬富士一派」vs.「貴乃花陣営」の内幕を明かす。

「2007年、時津風部屋で『かわいがり』の結果、新弟子の少年が死亡する事件が発生。この時、使われたのがビール瓶でした。事態を重くみた日本相撲協会は、司法判断を待つことなく時津風親方を解雇。つまり、ビール瓶で人を殴れば亡くなることもあるという忌まわしい記憶が角界には残っていて、日馬富士もビール瓶を使ったのであれば、警察の捜査如何(いかん)によらず解雇になる可能性があった。だから、日馬富士側は必死にビール瓶での暴行だけは否定していたんです」

 相撲評論家の中澤潔氏が後を受ける。

「確かに時津風部屋事件ではビール瓶が使われていて、そのせいか、ビール瓶で殴ったと報道されると事件に『迫力』が出る。怪我の程度に関係なく、死亡事件を招いたビール瓶で殴るなんてあまりに酷い――という印象は強くなりますね」

 角界とビール瓶。5円ならぬ「負の御縁」が未だに尾を引き、日馬富士暴行騒動では謎がさらなる謎を呼んでいる。

週刊新潮 2017年11月30日号掲載

特集「思惑入り乱れる角界のアウトレイジ! 暴行『日馬富士』謀略『貴乃花』7つの謎」より

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