時空を超え繋がるネット民の「神」 快楽殺人者「首吊り士」と「酒鬼薔薇聖斗」のシンクロ

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 20年の時と空間を超え、快楽殺人者の性衝動が、まさにシンクロするかのようである。神戸連続児童殺傷事件の「酒鬼薔薇聖斗」と、座間で男女9人を手にかけた「首吊り士」の白石隆浩容疑者(27)。なぜ、ネット民は稀代のシリアルキラー2人を「神」と崇めるのか……。

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 SNSを舞台に殺害相手を物色していた稀代のシリアルキラーが逮捕されてから、はや半月。現在、ネット上でなぜか、白石容疑者を礼賛する書き込みが出てきているのである。

 例えば、〈首吊り士さんは、自殺するしかないメンタルの弱者を救ってあげただけです〉〈やっぱり白石さんは神様 できるなら私も殺して欲しかった〉、あるいは〈白石さんに恋い焦がれるような憧れるような不思議な気持がある。死にたい人を、苦しむ時間短くさくっと殺すなんて、神様以外の何者でもない〉等々。

「神戸連続児童殺傷事件の酒鬼薔薇聖斗も、一部のネット民からは神格化されていました」

 と、ジャーナリストの渋井哲也氏が解説する。

「しかも、憧れから凶行を真似る者まで現れる始末です。2014年に2人が殺傷された柏市連続通り魔事件の犯人もその1人で、ネット上で“サカキバラを尊敬”と書き込んでいました。酒鬼薔薇を英雄視するのは、鬱屈した日常生活を送るなかで社会への不満を増幅させ、同時に“周囲に認められたい”という自己顕示欲を膨らませている人たちです。不満だらけの社会を震撼させる事件を起こした酒鬼薔薇は、共感性と神聖さを兼ね備えた存在なのです」

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