サッカー「ビデオ判定導入」 日本には“百害あって一利なし”

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 スポーツ界で“ビデオ判定”の導入が進んでいる。テニスやバレーボールの中継でご覧になった方は多かろう。最近では、プロ野球日本シリーズでソフトバンク・今宮健太のホームスライディングがビデオ判定でセーフに覆り、シリーズ全体の流れを変えたとも言われている。

 11月10日、サッカー日本代表の親善試合である対ブラジル戦で、代表戦初のビデオ判定が実施された。

 サッカーライター曰く、

「ドイツやイタリアのリーグでは既にビデオ判定は導入済みで、スペインでも来季から導入されます。世界的な流れで、来年のW杯ロシア大会でも導入が検討されています」

 ただ、このサッカーでのビデオ判定、ご覧になった方はご存知だろうが、すこぶる興を殺(そ)ぐ。他の競技と違い、サッカーはボールが止まっている時間が少ない。ところが、ビデオ判定が始まるとプレーが長く中断されてしまうのだ。

 まさしくブラジル戦がそうだった。問題の場面があってしばらくしてから審判がプレーを中断し、ピッチサイドに設置したビデオを確認。その場面まで遡ってプレーを再開させた。

「実は、ビデオ判定は日本にとって“百害あって一利なし”なんです」

“日本=フェアプレー”と思ったが、さにあらず。

「身体能力に劣る日本代表は、彼らに太刀打ちすべく、審判に気付かれないようにうまく反則する技術を磨いていました。たとえばセットプレーで足を踏んでジャンプさせないとかね」

 件(くだん)のシーンもDF吉田麻也の反則。ビデオでは、吉田が敵選手を柔道技のように豪快に投げ飛ばす様子がバッチリ映っていた。

「ドリブルを止める際にも反則は起きやすいですが、日本は伝統的にドリブラーがいない。つまり、ビデオに助けられる機会が少ない」

 技術革新も痛し痒し。

週刊新潮 2017年11月23日号掲載

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