「高畑充希」映画のファンタジー舞台 鎌倉がまたごった返す

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「ハリー・ポッター」の怪物よろしく、特殊効果を駆使した幽霊や妖怪、神様や仏様まで、人ならざる者の“てんこ盛り”。12月9日公開の「DESTINY 鎌倉ものがたり」は、何とも不思議な映画のようである。

「ALWAYS 三丁目の夕日」でヒットを飛ばした山崎貴監督が、同じく西岸良平の漫画をもとに実写化。主演は堺雅人(44)と朝ドラ「とと姉ちゃん」でブレークした高畑充希(25)。2人が12歳差のある夫婦役を務める。

 物語は、堺演じるミステリー作家が新妻・高畑と共に魔物達を相手に奇怪な事件を解決していく様を描く。

「美人系ではないが演技力に定評ある高畑と怪優の堺、決して集客力ある2人とはいえませんが、期待の持てるファンタジー作品です」(映画評論家・北川れい子氏)

 そしてこの映画、製作者サイドがもう一つ力を入れる売りがある。物語の舞台が鎌倉という点だ。宣伝でも盛んに謳(うた)い、11月21日には「聖地・鎌倉でプレミア試写」と銘打って、鶴岡八幡宮境内での何と1000人からの野外試写会を企画。

 うーん何やら鎌倉を“聖地”化しようとの魂胆が、透けて見えなくもない……。

 ただこうした企(たくら)みに首を捻(ひね)るのは、先の北川氏だ。

「昨年公開の『君の名は。』では、舞台となった岐阜・飛彈などの、これまで無名だった場所を観客が映画の聖地として訪れ、ブームとなりました。それにあやかろうとしているのかもしれませんが、鎌倉は古くは小津作品始め、最近では『海街diary』、今年も『武曲』『覆面系ノイズ』と多くの映画のロケ地となっています。既に超有名な鎌倉が、今さら聖地でもないでしょう」

 鎌倉商工会会頭を務める、鳩サブレーで有名な豊島屋の久保田陽彦社長が、この映画にかなり肩入れし、彼の口利きで八幡宮境内での試写会が実現したようだ。

「それにしても休日ともなれば、鎌倉駅西口の江ノ電前広場などパニック状態。黙っていても大勢が訪れる鎌倉に、これ以上押しかけられても……」

 鎌倉市の観光協会も嬉しい悲鳴をあげている。

週刊新潮 2017年11月30日号掲載

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