座間9遺体事件「被害者たち」の素顔 関係者らが明かす

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“自殺を2回”

 田村さんまで連なる9人の被害者のうち、白石容疑者が最初に手に掛けたのは、21歳の会社員女性・三浦瑞季さんである。厚木市内のアパートで、母親と兄の3人暮らしだった。

 母親に声を掛けると、

「警察からは何も聞いていませんので……」

 と、憔悴し切った様子だった。

 三浦さんの行方を探し、白石容疑者の毒牙にかかったのが、横須賀市の介護士兼バンドマン・西中匠吾さん(20)。

「彼は、2、3年付き合っていた恋人と6月に別れた。そのショックで、医者からはうつ病と診断され、向精神薬も処方されていました」

 とは、バンド仲間。

「そのうち、自殺志願者とツイッターで交流するようになった。失踪する8月29日の数日前には、“何人かと自殺を2回図った”と口にしていた。彼が犯人のところに探しに行った三浦さんとは、カップルと報じられたけど、本当のところは自殺志願者の集まりで知り合っただけではないでしょうか。事件後、彼のお父さんに会うと、“関係ないことを祈ってます”と気丈に話していました」

 他にも、横浜市では25歳の女性・丸山一美さんが犠牲となった。

 その母親に聞くと、

「ずっと引き籠りだったのですが、最近になってコンビニでアルバイトを始めて。10月18日にいつものように“行ってきます”と出掛けたのに……」

 また、埼玉県からは高2少女のほかに2人の被害者が出ている。まずは、所沢市の高級マンションに両親とともに暮らす19歳の女子大生・更科日菜子さん。

 小、中の同級生によると、

「明るくもなく、暗くもない印象でした。小学校はアートクラブ、中学では部活動をしていなかった。これから、成人式だったというのに、本当に残念です」

 もう1人は、春日部市の26歳主婦・藤間仁美さんである。

 事情を知る人物によると、

「もともと、ダンナさんと奥さん、小さいお子さん2人の家族4人で、一軒家に住んでいました。ただ、奥さんは俯いたままフラフラ歩いたり、何も言わずにじっと見つめてきたりと明らかに精神的におかしかった。結局、ダンナさんから9月に離婚を申し立てられ、実はその後、デリヘルで働いていた。そこで、いつしか白石容疑者と繋がりを持つようになっていたのです」

 9人が亡きものにされたのは、わずか2カ月の間だった。

週刊新潮 2017年11月16日号掲載

特集「9人殺害に匹敵するもう一つの大罪! 眠れる快楽殺人者を起こした『白石隆浩』の揺り籠から絞首台まで」より

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