TOKIO松岡、若嶋津を危険に晒した「サウナ健康法」の正しい活用術

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屋外の「塩サウナ」

 あらためて今回の「事故」を振り返ってみると──。千葉県船橋市にある二所ノ関部屋で朝稽古を見終え、近くの入浴施設で汗を流すのが親方の習慣だった。当日は12月中旬並みに冷え込んでおり、親方はいつも通り開館時間の9時過ぎに来店、発汗を促すとされる屋外の「塩サウナ」に入っていたという。そして、間もなく異変が起きる。

「洗い場で突然倒れた親方は、介抱されて施設内の休憩室で寝かされ、水を飲んで休んでいました。その際、従業員が『救急車を呼びましょうか』と尋ねても『大丈夫だから』と固辞していたのです。2時間ほど仮眠をとり、体調が戻ったところで帰って行きました」(施設関係者)

 が、16時過ぎには市内の路上で倒れた状態で発見され、救急搬送。それより前、畑に突っ込んだのであろう、現場近くでは泥だらけで自転車に乗る親方の姿が目撃されている。

 病院で開頭手術を受けた親方は依然ICU(集中治療室)で治療を受けており、知人が明かすには、

「おかみさん(みづえ夫人)は手術のことを『転んだ時に脳挫傷で出血したから』と話していました。翌日20日の午後には『まもなくICUから移れそうです』と連絡があったのですが……。現在は、薬で寝かせて蘇生力を高める治療をしているとのことでした」

 筑波大学脳神経外科の松丸祐司教授が言う。

「報道から察するに、親方はサウナから出た後に脳梗塞、または一過性の脳虚血発作を起こしたのではないでしょうか。幸い軽症で、水を飲んで休むうちにいったん回復し、自転車で帰宅しようとしたところ、脳梗塞による麻痺が出たか、あるいは再び虚血発作を起こして転倒した。その際、頭部外傷により血腫ができたものと推測できます」

 長時間の手術に関しては、

「倒れた原因が脳梗塞だけであれば、そもそも開頭はせず、血栓を溶かす薬の投与かステントを使った手術が一般的です。5時間近い手術から考えられるのは、脳挫傷を伴う急性硬膜下血腫。この場合、回復まで時間がかかり、後遺症が出るケースもあります」

 同じく脳神経外科医で眞田クリニックの眞田祥一院長も、

「最初はやはりTIA(一過性脳虚血発作)だと思われます」

 としながら、

「その後、ひとまず立ち直って着替えなどをすませたものの、まだ血圧が安定していなかったのでしょう。自転車に乗って動くことで脳内出血が生じ、気づかぬまま血の塊が大きくなって、最終的には意識を失うまでの出血規模になったと考えるのが妥当です」

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