母子家庭球児が「恩返し」の大量プロ入り プロ野球ドラフトの人間ドラマ

野球 週刊新潮 2017年11月9日神帰月増大号掲載

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“桐生にも勝った”阪神の島田

 一方、阪神から4位指名の島田海吏(かいり)(21)=外野手・上武大=は、父子家庭で育った。

 宇土イースターズ(熊本県)の田川浩成監督によると、

「海吏は小3まで福岡に住んでいましたが、ご両親が離婚し、お父さんの実家のある宇土に引っ越してきました。入部したのは小4からで、週末の試合にはお祖父さんとお祖母さんがお弁当を持って応援に来ていた。海吏が小6になると、お父さんも毎試合来るようになって、陸上の元短距離選手でしたから走塁コーチも引き受けてもらっていました」

 その父親のDNAを受け継ぎ、中3のときには野球部に所属しながら、陸上のジュニアオリンピックに出場。100メートルで決勝進出は逃したものの、準決勝で11秒41を叩き出し、一緒の組で11秒60の記録だったあの桐生祥秀に競り勝っている。

「大会後、海吏は僕に顔を見せに来て、“野球最強ですね。野球しかやってないのに、陸上やってる子に勝てたんだから”と。満面の笑みで、そう言ってました」(同)

 桐生に勝った男が次に狙うのは、タテジマのスピードスターか。

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