漱石の玄孫「夏目ひみか」が演じる赤毛のアン

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 カナダ建国150周年にあたる今年、記念事業として音楽劇「赤毛のアン」の公演が開催される(11月17〜19日、東京国際フォーラムホールC)。主演のアン役を射止めたのが、これまた生誕150年を迎えた夏目漱石の玄孫(やしゃご)、夏目ひみかさん(32)。

 ひみかさんは、ミュージシャンとしてすでに20年近いキャリアの持主。JポップからR&B、ラップもこなす実力派でライヴ活動を中心に根強いファンがいる。

 母親でマネージャーでもある智世子(ちよこ)さんが語る。

「漱石の次男・伸六の長女の長女が私で、漱石の曾孫。私の長女がひみかです。弟達に子供がいなくて、私が夏目姓を名乗ることに」

 今回の公演は、国連クラシックライブ協会の主催だが、代表で芸術監督も務める小池雅代さんの奨めが、話の発端だった。

「きっかけは偶然です。小池さん、娘がシンガーだと知って、出演を奨めて下さったのです。『若く見える。22〜23歳でしょ? アン役をどうかしら』と歳を勘違いされて。娘はなんだか若く見られるのね」

 本気でやるなら、教えるからと言われたものの、ダンスも芝居も未経験のひみかさん、かなり躊躇(ちゅうちょ)した。

「でも、主人公のアンが孤児で他人の家で育てられるという設定を知って、漱石の境遇とダブルイメージしたようです。『子供の時、他人の家に預けられるって、漱石おじいさん、どんな感覚だったのかしら』と」

 意を決して受けたオーディションも無事に合格。海外公演(ニューヨーク、オタワ)も視野に稽古に励む日々。ところで、原作『赤毛のアン』はお読みになった?

「それが、まだ読んでいないようで……漱石の血筋なのに昔から読書嫌いで」

 村岡花子の名訳で、弊社文庫に揃っております。

週刊新潮 2017年10月19日号掲載

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